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マンションの買い時はいつ?②

今年2010年はマンションの買い時? 「マンションの買い時はいつ?①」では個人的タイミングを計るモノサシのお話をしましたが、②では社会的タイミングについて見てみましょう。 社会的タイミング=買い手に有利な市場環境かどうか 社会的タイミングを計る3つのモノサシで、現在が買い時かどうかをチェックしていきます。
モノサシ1 自分にあったマンションの品ぞろえは豊富か
自分の暮らしに合ったマンションを選ぶには、対象となる物件数が豊富で、十分に比較検討できるかどうかが重要です。少ない物件の中から、これしかないから、と妥協して買うと後で必ず後悔するものです。
マンション販売の主流は3LDKのファミリータイプですが、これがマンションのだいたい65%程度を占めます。一方、DINKS・シングル向けの1DK・1LDKや2DK・2LDKは2割程度しかありません。近年、小家族世帯のマンション需要が伸びていることに対応して都心型のマンションの中には、シングル・DINKS専用マンションもちらほら出てはきましたが、数件程度です。一般的には、ファミリータイプのマンションを設計する際にどうしても発生してしまう、半端な面積の住戸や条件の悪い住戸をシングル向けとして売り出す傾向にあります。 2009年の首都圏のマンション供給戸数は3万6,000戸程度でした。今年も同じような戸数で推移するものと予想されます。ということは、ファミリー向け住戸は28,000戸。DINKS・シングル向け住戸の供給戸数は、おおざっぱに予測すると7,200戸程度ということになります。この数は70,000戸~80,000戸ペースで供給されていた2000年代前半と比べると半減といえます。 したがって、新築だけを対象にすると、2010年の品ぞろえは決して豊富とは言えず、買い時タイミングとしても良い時期とはいえません。そこで、2000年以降に販売された築10年までの中古マンションも、検討の対象に加えることをお勧めします。 築10年までの中古マンションも検討の対象に築10年までの中古マンションは、性能表示制度導入後に建てられたマンションです。性能評価書を設計・建築で取得しているマンションなら、新築に劣らない性能・品質の物件です。 どうしても新築をという方は、今年出てくるマンションで気に入らなければ妥協して買うのではなく、来年以降も引き続き、気長に探すという姿勢で臨みましょう。気に入った物件にめぐりあうために2~3年の歳月をかけることは、その後、場合によっては一生住むことを考えると、無駄とは思えません。 それでは次に、モノサシ2「価格相場の水準は高くないか」、モノサシ3「金利や税制など、住宅購入の後押し材料があるか」をお話します。
モノサシ2 価格相場の水準は高くないか
新築マンションの価格は上昇局面と下降局面が周期的に交互に訪れます。買い手の側からみると、下降局面、それも底値に近ければ近いほど、買い時タイミングは良いわけですが、残念ながら、どこが底だったかは、価格上昇局面に入った直後に後付けでしか確認できないことなのです(最高値もしかり)。
したがって、下降局面のどの時点が買い時タイミングのゾーンにはいってきたかを計るのが、家賃ということになります。つまり、自分が買いたいと思うマンションのローン返済額が周辺の同タイプの家賃とくらべてほぼ同程度、場合によっては家賃よりも安いというのであれば、価格的には買い時のタイミングといえるでしょう。 何故家賃で比較するかというと、マンションの価値は一戸建てと異なり、土地の値段ではなく、空間の利用度の高さで計ります。具体的には利用度はその部屋を賃貸に出した時にいくらの家賃で貸せるかで計ります。また、家賃は物件価格のように上昇、下落の変動が激しくなく、比較的安定しています。そうしたことから、物件価格の割高、割安を判断する基準として家賃が用いられるというわけです。 そういう点からみて、現在、供給数が多い東京23区のマンションの平均価格は、高かった2007年に比べて約15%程度下落しており、家賃水準と比較しても割高感は是正されつつあり、買い時のタイミングといえるでしょう。
モノサシ3 金利や税制など、住宅購入の後押し材料があるか>
住宅ローンを利用してマンションを買うわけですから、金利は低いにこしたことはありません。今のところは低水準です。過去の推移からみてもかなり低い金利です。これは、景気対策の一環として政策的に低金利に誘導しているという背景によるものです。が、いつまで低水準であり続けるかどうかは、分りません。
私は計画的かつ安定的に返済できるフラット35などの長期固定型のローンをお勧めしますが、変動型ローンより金利は高いものの2%台の水準でこのところ推移しています。金利の面からみて現在は、借り時のタイミングといえるでしょう。 また、税制ですが、今年も引き続く住宅ローン控除は適用されます。加えて住宅取得のための資金の贈与であれば、贈与税の非課税枠拡大が22年度実施予定です。更に住宅版エコポイトも導入され、省エネ効果の高いサッシを使用したマンションには補助金が出ます。 このように景気浮揚策として、住宅取得の推進は効果があるため、国としても積極的に後押ししようとしています。そうしたことから、この4月からの1年間は買い時だといえるでしょう。 それでは次に、モノサシ1~3から計ってみて2010年は買い時がどうかを見てみましょう。
2010年は、社会的タイミングとしては「買い時」です
2010年の社会的タイミングは、3つのモノサシで計る限り、概ね買い時ゾーンにあるといえるでしょう。新築だけではなく中古も視野にいれて物件を選び、家賃並みで買える物件を対象とすれば、ローンや税制の優遇措置を積極的に活用することで有利な住宅購入が可能です
。 では、購入適齢期に達しているけれど、社会的タイミングとしては、時ではない、という場合はどうしたら良いのしょうか?市場環境の有利なときに買いたいと思うのは人情ですが、価格が底値か、頂点かは過ぎてみないと分りません。また、税制などの優遇措置もいつどんな制度が導入、廃止されるかは予測しにくいところがあります。 そこで、社会的タイミングは無視して物件探しをした結果、自分の暮らしにあったマンションにめぐり合えたとします。そのマンションが、自分の返済能力の範囲で買える価格で、かつ周辺の家賃相場並みの返済額で買えるマンションであったとしたら、新聞やTVのニュースで今は買い時ではないといった報道がなされていたとしても、購入の決断をしても良いと、私は考えます。 いたずらに社会・経済環境に振り回されることなく、自分のタイミングと自分にふさわしい物件を優先するのが、健全で賢明なマンション購入といえるのではないでしょうか。

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