- 2010年12月25日 13:16
- マンション選びの新基準
こんにちは。さくら事務所の辻優子です。
私は「ホームインスペクター」として、新築マンションや中古マンションなどの建物の調査を行ってきましたが、この1・2年、中古マンションを購入しようと思っている方からの「一緒に部屋に行って部屋の状態を見て欲しい」というご依頼が増えています。
(中古マンションホームインスペクションというサービスでお受けしております)
マンションの場合、共用部分は見られる限界があります。
たとえば、管理組合からのご依頼であれば、地下部分に入っていったり、鍵を開けてもらって屋上に出たり、各階廊下を歩行して目視確認したり、外壁タイルの打診点検をしたり・・・と、本格調査は可能です。
ただ、個人、特にまだ居住者ではない方(簡単に言うと部外者ですね)のご依頼だと、立ち入る権限や、万が一の事故に対してのリスクを考えると、調べる対象の主な部分はやはり『専有部分(住戸)』になります。
『できる範囲、わかる範囲で、建物を調べる』
一戸建てよりも、潜り込んだりできる場所は少なくなりますが、それでもわかることはたくさんあります。
内見と言われる「見学」だけして契約する流れから、少しでも多くの情報を得てから契約に進む流れに。
これが中古マンション選びの新基準。
一例としては、床下。
一戸建てとは異なり、コンクリートで区切られた空間ですから、シロアリの被害などはほぼ、考えなくて大丈夫です。
では何を調べているかと言えば、基本的には、漏水が生じていないかどうか。
うちのベテランホームインスペクターが点検口を開けているところ。 (自分が点検しているところを自分で撮れないのがイタイところ^_^;)
設置されている洗面台やキッチンカウンターなどにより、点検口が無かったり、あっても、床下地に穴が開いておらず見られなかったりということはありますが、とりあえず開けられるところを開けていくと、こんなのが見つかったりすることもあります。
不動産業者が売主のリフォーム済み物件で、キッチンの排水管から継続的に水が漏れており、住戸内で他の居室にまで、水が広がっていました。
リフォームによりいろいろなところが綺麗になっていましたが、キッチンセットは従前のものが使われていて、不動産業者は買い取ったあとに床下までは点検しなかったようす。
不動産業者は2年間瑕疵担保責任を負いますから、契約・引渡し前にわかって、業者さんもよかったのでは?なんて思ったり。 (この物件のご依頼者は、ちゃんと直してもらうことを前提に、購入を決められました)
水が漏れている物件に出会うことは本当に稀です。
基本的には問題ない部屋がほとんどだ、と信じてはおりますが、こればっかりは見てみないことにはわかりません。
今回は床下をご紹介しましたが、その他にも、専有部分でお伝えできることはいろいろあります。
『中古マンション、どこをどう見ていいのかわからない!』という方には、お勧めのサービスではないか、と思っております。
【中古マンションホームインスペクションサービス】
【追伸】
ちなみに、「売主さんが住んでおられるのですが、そんなの調べさせてもらえるのですか?」とよく聞かれますが、ご了承くださる方が圧倒的多数。(さくら事務所ではほとんど断られたことがありません)
あとになって発覚してもめてしまうのを避けたいというのもあると思いますが、何よりも『自分も自宅のことを知りたい』と思う方が結構多いようです。
実は調査中、一番熱心に質問されるのが売主さんだったりするのです(笑)
さくら事務所 辻 優子
- Newer: あなたに向くのは築何年?③構造・性能
- Older: あなたに向くのは築何年?②住宅ローン