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あなたに向くのは築何年?①、価格

マンションの築年数の違いは、おもに 価格 金利、返済期間など住宅ローンの借りやすさ 構造・性能といった住宅のつくり 品揃えの豊富さ 維持・管理の状態 青田買い、オープンルームなど買い方 といったところに表れます。 自分に合うマンションのタイプを見分けるには、まず、築年ごとにどんな違いがあるかを知ることが第一歩です。これから5回に分けて、1~5の項目順に違いをご説明していきます。1回目の今回は、「価格」から見ていきましょう。
築年数が経つと価格はどう変化する?
築16年超が中古としての割安感あり図表1は中古マンション成約物件の築年別平米単価です。これを見ると、実際に売却された中古マンションの築年別の正味価格が分ります。築年数が古くなると、それに伴い価格は低くなりますが、下落率は築16年以降一段落して緩やかになります。
101222築年数からみたhyo1.gif (資料:東日本不動産流通機構「築年数からみた首都圏の不動産流通市場」) 築16年~20年は27.74万円、築26年~30年までは26.27万円と平米単価に大きな開きは生じていません。築31年超では24.37万円で、ほぼ築0~5年の価格の2分の1程度にまで下がっています。こうしたデータを見ると、なるべく新しいもので、しかも価格水準が下がりきった物件、築16~20年の有利さが浮かび上がってきます。 また、図表2は中古マンション成約物件の築年別比率ですが、築16年以降の物件の比率が51パーセントとなっています。わずかではありますが、古くても価格が下がりきって買いやすくなった、築16年以降の物件の成約シェアが高いという事実が明らかです。 101222築年別図2.gif  (資料:東日本不動産流通機構「築年数からみた首都圏の不動産流通市場」) 次に、2008年の中古マンションの流通価格が新築時よりどれだけ上がっているのか、下がっているのかを見てみましょう。 築年数が浅いほうが、価格下落率は高い図表3は2008年に実際に売り出された中古マンションの流通価格が、それら中古マンションの新築時の価格を100として見た場合、どれだけ上がっているか、下がっているかを指標化した表です。表の一番下の価格インデックスというのが、それにあたります。 101222価インデックスzh3.gif (資料:株式会社 東京カンテイより) これを見ていくと、築5年は103.4で新築時の価格より、高い価格で売り出されていることが分かります。これは、2002年に新築マンションの価格が底を打ち、意向2006年まで低水準で販売されている傍ら、立地の良い築浅中古物件の価格が上昇したため、相対的に新築分譲時の価格が割安となって価格指数100を超える結果となったわけです。 一方、築20年・1990年は33.1で前後に比べても極端に、低い指数になっています。これは、バブル期の新築マンション価格は異常ともいえる加熱感が生じていたため、当時の適正価格からかい離した異常な高値で価格設定されていた分が調整されて、2008年の市場に適合した中古価格に値ごなしされた結果といえるでしょう。 築10年・2000年が84.0、築15年・2005年が56.1、築23年・1987年が58.8という推移からみて、バブル期の築20年・1990年を除くと、価格水準がぐっと50台まで下がりきっている築15年以降が割安感ありといえるでしょう。 これまで見てきたデータから、築年数が浅いほうが、価格下落率は高く、古くなるほど低くなっていくことがわかります。特に築16年以降は、価格は低い水準まで下がりきり、築30年を超えてもその下落率は緩やかになります。ちなみに、築0年~築15年までの下落率は40パーセント、築16年~築31年超までの下落率は約12パーセントです。 次に、中古マンションの価格のメカニズムについてお話しします。
築年数による評価指標で 中古マンションの査定価格は決まる
中古マンションの価格には、築年数による価格差があらかじめ設定されているのです。 このような中古マンションの価格のメカニズムは、一体、どのような経緯で生じるのでしょうか。実は、マーケットの需給バランスにより決まるというのではなく、市場に出される前の価格査定のロジックにより、築年数による価格差があらかじめ設定されているのです。
そのロジックは以下のとおりです。 「そもそも、中古物件の売り出し価格はまず、売り主に仲介を依頼された不動産会社が価格査定を行うことで決まります。この査定については、マンションの築年数は駅までの距離などの立地条件と同様に、査定価格の中心となる重要項目です。中古マンションの場合、築年数が10年~15年を超えると殆ど土地価格のみの評価となる一戸建て程の価格の下落はありません。 また、中古マンションは管理状況で劣化の状態が左右される面があり一概に築年数だけでは判断できませんが、中古マンション価格査定マニュアルなどでは、築10年を基準にその前後一年ごとのプラスマイナス評価をしています。 築10年のマンションより新しいほど1年につき1.5パーセント査定価格は上がり、築11年~15年までは古いほど1年につき1.5パーセント査定価格は下がる査定評価方法です。さらに、築15年を超えると築年数16年~20年では古くなるほど1年毎に2.0パーセント、築年数21年以上では1年毎に2.5パーセントと下がっていきます。」 こうした築年数を基準とした価格査定のロジックをもとに立地や維持管理の良し悪しが加味されたうえで、査定された中古マンションが市場に流通した結果が前頁の図表1、2、3のデータというわけです。
価格の面からみて、 あなたに合った中古マンションの築年数は何年?
 
「価格の安さ重視」というあなたでしたら、築31年超の物件を検討する手があるでしょう。このくらい古いマンションは都心の好立地にある物件が多く、都心居住も夢ではありません。ただし、住宅ローンを借りる場合は借りにくい(築年数でみる、あなたに合うマンション2で説明)とか、古い分建物の構造・性能が心配(築年数でみる、あなたに合うマンション3で説明)とか、維持・管理の状況を要チェック(築年数でみる、あなたに合うマンション4で説明)とか、気になる点が結構ありますので、それらの説明を読まれた後に最終結論を出だすのがいいと思います。
「新築のように新しく、しかも新築よりは安い」というあなたは、築10~15年以内を選ぶのがいいでしょう。この場合は新築も並行して探し、両者を比較検討するのがいいと思います。比較検討する主な項目としては、価格と建物の構造・性能、設備・仕様、間取り(築年数でみる、あなたに合うマンション3で説明)です。中古については、維持・管理の状況も要チェック(築年数でみる、あなたに合うマンション4で説明)です。 「新しさもそこそこ、割安感もそこそこ」というあなたは、築16年~25年を選ぶのがいいでしょう。ただし、この築年数のゾーンにある中古物件は都心で比較的規模の大きい魅力的な物件の数は多くありません。というのは、供給時期が1987年から始まって1991年に崩壊したバブル期と重なり、地価の高騰で都心の好立地の用地取得が困難で供給数が減少したためです。また、そこそこ古い分建物の構造・性能が心配(築年数でみる、あなたに合うマンション3で説明)とか、維持・管理の状況(築年数でみる、あなたに合うマンション4で説明)とか、おさえて置くべき点もありますので、それらの説明を読まれたのちに、結論をだすのがいいと思います。 ここまでの結論を表にまとめると、 101222価格h5.gif 次回は、住宅ローンの金利、返済期間などローンの組みやすさについて築年別の違いを見ていきましょう。

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