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マンションを持つことのリスクと対応策①

人口減少時代のこれから、住まいを持つことには、実はいくつかのリスクが伴います。今回はそのリスクとその対応策について考えてみます。
人口減少社会では、マンションの価格は値下がりする
人口減少社会では住宅需要者が減少し、一部の地域をのぞき土地、住宅価格が下落することが予想されます。それは、人生最大の投資である住宅は、買った直後から値下がりし、資産価値が目減りする、ことを意味します。マンション購入の主力年齢は30~39歳です。人口問題研究所の人口予測をもとにすると、東京都における30代の人口は平成22年から32年の10年間でおおむね20パーセント程度減少することが予想されます。群馬県や秋田県も同様の傾向となります。東京圏では、新築マンションの売れ行きは悪化し、価格低下圧力が生じることになりますまた東京都や神奈川・埼玉・千葉県の買い替え需要者が売り出す中古マンションも買い手がつかずに価格を下げることになります。既に30代の人口の比率が低い秋田ではマンション不況により、新築物件は市場から姿を消してしまうかもしれません。実際のところ、日本の地価は1991年を頂点に、以降20年間(2007年、2008年は一次的に若干上昇)下がり続けています。人口が一極集中している東京圏も例外ではありません。ただし、千代田、中央、港区の超都心部は1998年から2007年にかけて上昇しましたが、リーマンショック以降の2008年時点では、それも頭打ちになっています。次に、人口減少社会ではマンションの販売量がどうなるかお話しします。
人口減少社会では、マンションの販売量は減少する
ニッセイ基礎研究所の試算によれば東京圏のマンションの価格が10パーセント下落すると、需要は41パーセント増加する。東京都に関して同様に試算すると、10パーセントの価格下落に対して、需要は32パーセントの増加となります。そのため、不動産会社は人口減少により落ち込む販売戸数を回復させようと、より低年収層、より若い年代層の需要を先取りする動きをとります。
しかし、人口減少は一時的なものではなく、その後20年、30年(今30代の方々が定年を迎えるころ)、いえそれ以上の長い時間をかけて続いていきます。そうなると価格低下による需要の確保は限界を迎え、マンション市場自体が徐々に縮小し、住宅不況が生じます。マンション専業の中小不動産会社は大手に淘汰され、新築マンションの販売量は減少することになります。そうなると、企業間競争は弱まり、魅力的な住宅づくりのための商品開発力を低下させ、買い手は質の高い住宅手に入れるための選択肢を狭めることにもなりかねません。
人口減少社会では、中古市場は2極分解する
中古市場も、胸算用していた売却価格よりはるかに下回る価格でしか、取引が成立しないとしたら、多くの持ち主は売りに出さずに、そこに住み続けるか、賃貸にまわそうという動きがでてくることが予想されます。したがって、市場に出てくるのは、一部の価値の低下が少ないブランド立地の超優良物件か、周辺の家賃相場では賃貸人もつかないような不人気物件が中心になり、2極分解の市場となることが想像されます東京圏の中古価格指標(東日本レインズ)は1995年を100としてみた場合、2011年まで一度もそれを上回ったことはありません。そして賃貸にまわす中古マンションが増加すれば、賃料は下落します。ここで、賃貸市場の将来動向についても触れておきましょう。
賃貸住宅の空き家率は18パーセント超。家賃の値下がりは止まらない
2008年時点での賃貸用住宅の空家率は18.7%、と高い水準にあります。借り手の多い東京23区でも8~10%程度となっています。借り手が少なければ当然ながら賃料は下落します。アットホームが発表しているマンション賃料インデックスでは2001年の第4四半期の賃料を100とすると2011年第1四半期の東京23区は90台前半、横浜・川崎は90台後半といずれもこの10年間で下落しています。ひところ家賃は下がらないという定説がありましたが、今や礼金なし、更新料なし、しかも更新時に賃料を下げて入居者確保をする動きも顕著になり、借り手の減少にともなう家賃の下落はこの先20年、30年後も続くことが予想されます。

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