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マンションの火災保険の評価額のありがちな誤解

5,000万円の新築マンションを購入したら、業者からもらった火災保険の保険金額が700万円だった。

 これでは保険金額があまりにも低すぎるのではないかと感じ、知り合いの代理店に念のため保険金額を確認したら今度は2,500万円。

700万円と2,500万円では1,800万円もの差があるため、「いったい誰の言っていることが正しいのか判断できない」ということで、火災保険の評価額に関するご相談がありました。

ちなみに、マンションの専有部分に掛ける火災保険は、マンションの売買代金をそのまま評価額に設定してしまいがちですが、マンションの売買代金には、土地代やエントランス、共用廊下といった共用部分の建物代金も含まれたいるため、売買代金全額を評価額に設定する必要はありません。

マンションの専有部分に掛ける火災保険は、専有部分が全焼してしまった際、「元通りの状態にするための費用」となる再建築費から評価額を設定することになるのです。 具体的には、専有部分が全焼してしまうと空っぽになったコンクリートの箱のような状態になりますので、そこからもう一度元通りにするための費用(再建築費)を計算することになります。

                      空っぽにのコンクリートの箱のような状態のお部屋 P1030543.jpg 20110810.jpg 首都圏に建つ70~80㎡前後の標準的なグレードのマンションの場合、1㎡あたりの再建築費はおよそ14~15万円ですので、専有部分の面積(㎡)に14~15万円を乗じた金額を専有部分の評価額と設定します。

なお、専有部分の面積が比較的小さめな場合は㎡あたりの再建築費をやや割高気味に、また専有部分の面積が比較的大きめな場合は再建築費をやや割安に設定すれば、ほぼ適切な評価額になります。

ちなみに、この度ご相談のありましたマンションの専有面積は59.04㎡、若干グレードの高いマンションでしたから、適切な保険金額は59.04㎡×16万円≒950万円ということになるわけです。

ですので、このマンションの保険金額を700万円で設定してしまいますと、1㎡あたりの再建築費は700万円÷59.04㎡≒11.8万円/㎡とかなり低額になってしまうため、万一の際支払われる保険金では元通りにすることができなくなってしまいます。

また、このマンションの保険金額を2,500万円で設定してしまいますと、1㎡あたりの再建築費は2500万円÷59.04㎡≒42万円/㎡とかなり高額になってしまうため、万一の際でも再建築費となる950万円しか保険金は支払われませんから、無駄な保険料を支払うことになっていまうのです。

このように、マンションに火災保険を掛けるときは、マンションの売買代金とはほぼ無関係な専有部分の面積やグレードから保険金額を設定することが基本になることを覚えておきましょう。

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