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不動産会社の儲けの仕組み4 販売の舞台裏①

マンション販売の流れを知る
前回の記事「3.お金の流れ」で、マンションは完成前に販売される青田売りが主流だとご説明しましたが、実際のところ、販売が開始されるのはいつごろからでしょうか?マンションの販売時期を知るのに、一番身近な方法は広告です。そこで、販売の流れを駅などに置いてあるフリーペーパーのマンション広告をもとにご説明しましょう。一般的な販売の流れは、下記のようになります。
〈マンション販売の流れ〉 予告広告(建物完成から約1年から1年3ヶ月前程度から始まります) ↓ 優先案内会 ↓ 本広告 ↓ 一般モデルルーム公開 ↓登録期間 「先着順申込受付」または「登録抽選」 ↓ 契約 ↓ 売れ残り ↓ 値下げ、景品広告 ↓ 申込・契約 ↓ 完売 「予告広告」は、販売開始の予告編マンションの広告に「予告広告」という表示があるのをご存知でしたか?一般的に、予告広告は、マンションの建築確認が下りた後、建物完成から約1年から1年3ヶ月前程度から始まり、販売は「予告広告」を打つところから始まります。ただし、予告広告の段階では販売価格や販売戸数が決定していないため、マンション購入の予約や申し込みを受け付けてはいけないことになっています。だとしたら、何で広告するの?という疑問の声が聞こえてきそうです。 これは、最近のマンション市場の変化が激しく、売り手が早くから販売価格を決めることが出来ない状況にあるためです。販売開始直前に価格を決め、正式な販売広告を打つと、売買の申し込の締め切りまでの期間が非常に短く、思うように契約数が確保できないために考えられた苦肉の策です。 価格や販売戸数が未定のマンションの予告広告は、消費者にとっては有効な情報とはいえませんが、売り手側にとっては、こんなマンションが近々販売される予定なのでどうぞ候補物件の1つに入れてください、というメッセージなのです。 次に、優先案内会の舞台裏をみていきましょう。
来訪者の数や反応をもとに、価格・販売戸数が決まる
予告広告の段階で消費者が売り手に問い合わせると、モデルルームの事前案内会への参加予約を勧められます。実はこの事前案内会は、一般のモデルルーム見学会に先駆けて行われるもので、価格や販売戸数を決めるための事前マーケテインングに該当するのです。事前案内会の参加者の数やアンケートの回答から参加者の購入予算などを分析し、価格や販売戸数を決定するためのデータとするのです。 もし、事前案内会への参加者が多く、物件に対する反応に好感触を得たりすると、売り手は価格を高めに設定したりするのです。逆に参加者が少なく反応が鈍いと、価格は弱気の設定となるわけです。
優先案内会などのイベントは、申込決定率を高めるのが目的
事前案内会、優先案内会とも言われますが、これは申込み率を高めるために、実施されるイベントです。モデルルームの一般公開を前に2~3回開催されるものです。予告広告の段階で物件友の会に入会した方などに対して案内されるもので、特定客限定の招待ですから、時間指定ができ煽り効果を演出することができます
。 万一、混雑していなくても、招待された顧客は不思議には思いません。営業マンは「少人数に絞った特別内覧会なので少ないのです」と弱気にならずに、商談ができますし販売開始前に特別に招待されたという優越感を得た顧客は、申込を迫られることもない時機の気楽さが相まって比較的くつろいでくれるので、ひとりひとりじっくり接客できるのです。長時間商談ができるので、申込開始時の再来へつながるというわけです。 また、モデルルームの商談スペースは、サロン風のコーディネート、販売スタッフはおそろいの制服、飲み物はオーダー方式にするなどの演出をして、高い金額の買い物をすることへの高揚感を高める工夫もしています。さらに、再来を促すために、「住宅ローン相談会」や「インテリア相談会」などのミニイベントも実施しています。 このように、様々なアプローチで顧客を集め、申込の決定率を高めようとするのです。 次に、販売方法の入手方法を見ていきましょう。一躍情報を掴むには、どうしたらよいでしょう
友の会誌は、「大手が手掛けるマンション販売の情報源に
三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、野村不動産、住友不動産、東京建物などマンション大手企業が手がけるマンションについて、いち早く販売情報を入手したければ、友の会に入会して定期刊行物である会報誌を送ってもらうという、方法があります。三井不動産レジデンシャルの会報誌「こんにちは」は発行部数が月間約20万部と言われる巨大メディアです。
こうした会報誌を定期購読しておけば、居ながらにして早期に販売情報を入手することができるというわけです。最近販売される都心立地の大規模マンションのほとんどは、大手不動産会社が手がけています。特に大規模マンションを検討する方は、友の会の会報誌を定期購読することで、マンションの販売開始情報をもれなくキャッチすることができるでしょう。 ただし、会報誌送付の依頼と引き換えに、希望する物件に関する詳細なアンケート項目に記入することが求められます。これは、不動産会社が販売するマンションについての顧客リストとなり、自分が希望しない物件(不動産会社が買って欲しい物件)のDMが会報誌とは別に、相当数送られてくることも、覚悟しなければなりません。 あなたにとって、マンションの販売情報を、楽して入手できる会報誌は、大手不動産会社にとって顧客囲い込みのツールとなるのです。ただし、大手の会報誌の購読者は見事に重なっているので、顧客囲い込みは独占的とはいかないという実態があります。
チラシ中心の小規模マンションの販売は見逃すことも
広告はマンションの規模により手法が異なります。30戸程度の小規模なマンションは前述のフリーペーパーは活用せず、マンションの所在地周辺にチラシをまく程度にとどめます。戸数が100戸、200戸と多い大規模マンションは、多数の集客が必要なため、広域に配布されるメディアを通して行います。そうしないと全戸契約が難しいためです。
ちなみに広告による集客に対する契約者の比率は一桁程度で、歩留まりは決して高くありません。半面、30戸程度であれば、チラシで地元の契約者を確保すれば販売の見込みがたつというマンションならではのマーケティングによるものです。もちろん、物件の規模により広告予算も決まってきます。小規模マンションは大規模に比べ予算額はすくないため、フリーペーパーなどのマスメディアには広告掲載ができないという、現実もあるのです。 したがって、小規模マンションの販売情報を漏らさず手に入れるには、住みたいエリアを特定し、そこに賃貸住宅を借りて移り住み、配布される新聞チラシを入手することが必要になります。そこまでできない!というのであれば、情報が来てくれるのを待つのではなく、能動的に不動産サイトをこまめに検索する必要があります。 次回は、購入方法についてお話しします。

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