■一般会計の収支の状態を知る

マンションの会計で大切なポイントは、「必要なお金の分のみ管理費を集める」ことであることはもうお分かりのとおりですが、その収支のバランスの状態を見るにはどのようにしたらよいでしょうか。
それには毎年の管理組合総会の資料にある決算報告書をチェックしてください。

一般会計の決算書でもしも、支出が収入を上回り、これまでの余剰金を取り崩しているような会計状態の場合には要注意です。場合によっては今後の管理費を値上げする必要があります。また現在は収支のバランスが取れていても、収入の内容によっては注意が必要です。というのも一般会計の中に管理費収入以外に、駐車場収入などが含まれている場合、今後の駐車場の空きが増え、収入が減少すると一般会計のバランスが崩れてしまうからです。駐車場収入などの使用料収入はマンションによって、一般会計として扱われたり、積立金会計として扱われたりといった違いがありますので、購入時には是非チェックしてみてください。

■積立金の値上げ予定はあるか？

積立金会計には今後の計画修繕工事に必要となる費用が積み立てられていますが、その金額は必ずしも必要な金額に達しているとは限りません。長期修繕計画の資金計画で今後の積立金の値上げが予定されている場合もありますので、残高のチェックだけではなく、長期修繕計画の資金計画についてもチェックしましょう。また戸数の多いマンションになると積立金の残高が億を超えるような金額になっている事も珍しくありません。この資金を有効に活用するために預金においておくだけではなく、金融商品で資金運用している管理組合もあります。ただしリスクの高い金融商品は元本割れの危険もありますので、多くは元本保証されているローリスクの金融商品で運用されています。積立金会計については、この資金運用の方法についても確認したほうがよいでしょう。

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■管理費・積立金の未収金発生に、どう対応するか

最初に述べたように、管理費は必要な支出から計算されていますので、未収金が発生すると日常の維持管理が困難になる事態にもなりかねません。まずは未収金を発生させないことが重要ですが、発生してしまった場合にも速やかに回収することが大切になってきます。
未収金への対応は基本的には管理組合の責任で行うべきことですが、多くの場合、管理会社が管理委託契約に定める範囲で対応しています。管理会社が行う未収金対策としては、フロント担当者による電話督促、訪問しての督促、文書による督促などがあります。通常の管理会社ではこのような督促を6ヶ月間行うところまでを管理委託契約の範囲内とし、それ以降は別途有償での対応としているところが多いようです。このような督促を続けても回収ができないような場合には、少額訴訟や訴訟などの法的手段によって回収を行う場合も出てきます。