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マンションの注文建築「コーポラティブハウス」vol.49 


都心・安い・自分仕様
コーポラティブハウスの魅力

コーポラティブハウスとコミュニティ(1)  屋上

(株)アーキネット代表 織山 和久

お住まいの方々の声から

 「屋上は、夏、プールを置いたのが良かった。子どもたちが全員入ったりした。お父さん同士では、いつの間にかビアガーデンにしている」
「屋上づたいに、子どもたちは普通によその家にも行き来している。春から秋までほとんど遊べている。夏はプール、花火、バーベキュー。共有の屋上に仕切りをつけなくて正解だった」
 「(おとうさんたちも)缶ビールをもって『どうも』といつの間にか集まる。洗濯モノを干す間におかあさんたちはよくお話しもしている」
 「そんな間柄なので、地震のときも、専業主婦世帯を含めてお互いに安否を確認し合ったりできた」
 これらは、昨年竣工したコーポラティブハウスにお住まいの方々から伺った声です。コーポラティブハウスにご参加されるまでは、お互いに面識があったわけではないですし、アーキネットから特に仕掛けたりもしていません。けれども、こうしたコミュニティが自然な形で出来上がっているのはなぜでしょうか?

大人であること

 まず思い浮かぶのは、参加される方々が「大人」である。ということです。お仕事や家族構成、趣味・嗜好はそれぞれなのですが、共通点としては、社会性があって、個々の暮らし方を尊重され、ご自身の責任で決定できる、ということが挙げられます。この建物では各戸から屋上に上がれる空間構成で、プライバシーを尊重するならば、屋上は仕切りをつけて専用スペースにすることも可能でした。分譲マンションなどでは、こうした共有スペースに勝手に私物を置いたり、物置にしたりするというトラブルもあると聞きます。けれどもこの組合の方々は、こうした懸念についても自分たちで建設的に話し合い、結果としてお互いを信頼し合って、皆で広く使う方法を選択されました。こうした話し合いは、大人だからできることだったと思います。お互いの距離感のとり方も、大人ならではです。

ちょうどいい世帯数

 次に、ちょうどいい世帯「数」。というのも効いていると思います。この建物の場合は11世帯、お互いに様子が分かって、気軽にコミュニケーションがとれるサイズです。お子さんや飼い犬のお名前やお年なども良く分かります。プロジェクトを進めていく過程で、皆さんで何度も顔を合わせていたので、実際にお住まいになられてからも気の置けない間柄になります。ご入居後の管理組合の会合も、一同であるお宅のリビングに集まることもしやすいでしょう。これがもしマンションのように数百世帯だとしたら、たぶんお互いに挨拶もしにくい関係になりがちです。

建築の力

 それから、やはり建築の力が効いています。この建築では、屋上という共有の場が、眺めや開放感を生かし、さらに各戸とつながる搭屋もガラス主体でゆるやかにつなげられています。ただ単にまっ平らな屋上だと、背中が空いてしまって不安になるものですが、ここでは搭屋がちょうどいい間隔で並んでいて間に入れば落ち着いた感じにもなります。子どもたちも八の字に走り回ることが出来て、楽しそうです。また、それぞれの住戸に入ると、防音や視線制御などお互いの私的な生活がしっかり守られているのも見逃せません。

★   ★   ★

 こうして大人同士で自然に成り立つコミュニティがあるから、子どもたちもお互いに自由に行き来して、一緒に遊ぶこともできるのでしょう。もちろん子ども同士の関わりが、コミュニティを育む作用も働いています。思わぬ災害のときでも、コミュニティとしてうまく働くというお話しは印象的でした。これらの価値は、プライスレスです。

筆者プロフィール
株式会社アーキネット代表。土地・住宅制度の政策立案、不動産の開発・企画等を手掛け、創業時からインターネット利用のコーポラティブハウスの企画・運営に取組む。著書に「東京いい街、いい家に住もう」(NTT出版)、「建設・不動産ビジネスのマーケティング戦略」(ダイヤモンド社)他。

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