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価値を高めるリフォーム「リノベーション」vol.3 


「新築・中古」を越えた選択肢
今、注目のリノベーション

第三回 『リノベーションはブームなのか?今、注目されている理由』
〜その2 住宅購入検討者の場合〜

株式会社リビタ 土山 広志

 みなさんこんにちは。リビタの土山です。第二回目のコラムで、マンションの売り手(供給側)におけるリノベーションの動向をご紹介していただきました。第三回目は、買い手(住宅購入検討者側)が、なぜリノベーションに注目しているのか、興味をもたれているのかについて消費者の視点でお話したいと思います。しかし、リノベーションという言葉をまったく知らなかった人と、既に知っている人では、注目の理由とその内容が異なります。まずはリノベーションをまったく知らなかった人が、なぜ注目し出したのか、経済情勢を背景に紐解いてみたいとおもいます。

リノベーションを知らなかった人が、注目の理由
消費者の「見極め力」が、住宅の選択肢を増やした

 少し前に、食品に関する偽造事件がありました。製造年月日が偽造されたり、生産地名が偽造されたり、企業のエゴと偽りのために、私たちの生活が脅かされる事件でしたね。当然ながら企業は商品の品質こそが命で、それがブランドとなって商品者の信用を得ています。高いもの→いいもの。有名なもの→安心。そんな先入観もあるのかもしれません。だからこそ、高価なものであっても、自分で選んで納得して商品を購入していたのです。そんな商品のブランド神話が崩壊したとき、消費者は何を信用すればいいのでしょう。偽造はあってはならないことですが、消費者側としても、これからはモノの選び方において他人任せにできない時期にきたのだと私は思います。消費者自身が「自立」せざるをえない状況。つまり、信じられるのは自分の目。自分が選んだものに責任をもつために、納得できる情報を探し、自分で見極める必要に迫られてきているのです。

 また、不動産業界に目を向ければ、今から約2年前、一級建築士による建物構造偽造事件がありました。目に見えない建物の構造を偽造されるというショッキングなニュースは、新築マンションの安心安全神話が崩された事件です。さらに昨今は、これまでのマンション用地不足が土地の高騰を誘い、サブプライム問題が金融機関の貸し渋りを生み、さらに燃料不足が建築材料高騰という状況にあります。そのような背景を受けた不動産デベロッパーは、自分たちの事情を価格に反映しなければならず、それはそのまま消費者の価格にかぶさってくる・・・。本来の消費者ニーズや消費者視点の妥当な価格設定とはかけ離れた販売価格で供給されてしまうのです。これでは消費者はまた、マンションの妥当な価格に不信感を持ち、いつが買いどきなのかに戸惑ってしまいます。

 そこで住宅購入の選択肢が、新築だけでなく、中古とリノベーションに広がってくるわけですね。中古マンションは、不動産のWEBサイトでも情報量がたくさんあり、価格も比較検討しやすい。とくに、単なる中古物件では、リフォームをしないで売買される物件が多い中、リノベーションは(今はまだカテゴリーとしては中古マンションに属しておりますが)設備や内装を新設し、アフターをつけるなどのサービスによって、他の中古物件とは一線を画し、それでも周辺の新築マンション価格より安く手にいれることができます。新築マンションに対する価格不安に陥っていた人たちにとっては、自分たちの予算内で、安心して快適に住めるマンションの比較物件が増えるチャンスであり、改めて新築マンションとリノベーションマンションを比較して、見極められるようになるのです。ここに、リノベーションが注目される理由があります。

リノベーションを知っている人が、注目の理由
住宅購入がメインではない。人生を楽しむマネーバランスへ

 一方、リノベーションマンションを知っている人が、リノベーションに興味を持っている理由は何でしょうか?もちろん、前述の経済情勢や価格に対する不安もあると思います。しかし、それだけにとどまらない注目の理由があるのです。第一回目の冒頭で書いたように、「なんだかどのマンションを見ても、ピンとこない」という人たちがいます。彼らの思考はこうです。

・ガソリンが高くなった→車のかわりに自転車に乗ればいい
・ブランドもの→名前や知名度だけでは買わない
・休みの日→レジャーより家でまったり家族と過ごしたい
・自分が欲しいもの→高くても、本当に欲しいものは買う!

 つまり、価格に対する意識はシビアであるものの、自分にとって本当に必要なものは惜しまず買うという思考です。惜しまず買うということは、モノを見る目が大変厳しいということです。
 住宅の検討においても、

・納得できる販売価格でないと買わない
・画一的でありきたりな家はつまらない
・ある程度、カスタマイズがほしい
・間取り(部屋数)の多さより、広いリビングが欲しい
・新築というだけで安心だとは思っていない
・妥協して知らない街の新築には住みたくない
・気に入った家があれば、賃貸でもいい

 住まいに対してかなり冷静と見受けられますね。でもそれはストイックな住宅創造信仰者というわけではありません。生涯マネーという観点において、住宅への比重をそれほど大きく捉えない人が増えているのです。

日本とヨーロッパの生涯収支の比較
【資料】次世代システム研究会「次世代に向けたストック型社会形成カタログ」より

 参考資料のイラストは「日本とヨーロッパの生涯収支の比較」だそうです。とてもわかりやすいですね。ヨーロッパのひとたちは生涯収入が日本人より少ないにも関わらず、ゆとり(収入―支出)の分野の比率が高いことがわかります。これまでの日本人は、庭付き一戸建てやマンションを35年ローンで購入し、お父さんが必死に働いて返すシナリオがありました。しかし今は、年に一度は海外旅行に行きたい、趣味にお金を使いたいなど、住宅以外の嗜好に興味関心と投資を選ぶ人が増えてきているのです。イラストで言えば、ヨーロッパ人の生涯収支に近づいてきたということでしょう。そうなると、住宅購入の検討者は、自分の身の回りの収支バランスの中で、家が「納得の価格」かどうかという判断をするようになります。その上で、リノベーションマンションの特徴である「間取りの自由度」や「居住エリアの厳選」などに魅力を感じるのですね。人生を楽しむための衣・食・住のバランスを、自分基準で適えたい。そんなニーズに応えられること。それが、ここでリノベーションが注目される理由なのです。

新築至上主義からの、脱却

 このように、私たちの周りで起こるさまざまな出来事が、モノゴトを他人まかせでなく自分の基準で見極めるきっかけを増やし、そのために今まで知らなかった情報を取得するようになり、選択肢が広がってきました。マンションにしても新築しか考えていなかった人たちが、中古やリノベーションに興味を持ちはじめ、それらについて正しく見極めるために情報を収集し、本質を知ろう!とする流れに変化してきました。でもこの流れは、もともと全ての人がもっている価値観のはずです。確かに新しいモノを使うときは気持ちがいい!しかし、新築の家も数日住めば中古です。築年数が新しいか、旧いか、というだけの価値観は一瞬なのです。長い目でみたとき、何にお金をかけるのか?新築コストか、リノベーションして自由設計するコストか?ライフスタイルの多様化により、モノも住まいも、与えられるだけのハードやソフトでは満足できないニーズがあるのです。それを生涯マネーの観点でバランスよく分配し、賢く楽しく人生を謳歌したい!という選択肢としてリノベーションを選んだ人が、次々と新築至上主義から脱却しているといえるでしょう。

 次回以降は、いよいよ実際のリノベーション事例に基づいて、リノベーションマンションの魅力をご紹介いたします。

土山 広志(つちやま ひろし)
株式会社リビタ クリエイティブオフィス マネージャー兼 PR&コミュニケーションデザイン室 マネージャー。大学卒業後、大手デベロッパーでマンションや商業施設の企画・開発を多数経験。2008年1月よりリビタへ入社。様々な分野のマーケティングに精通し、リノベーションを通してこれからの住まいのあり方を提唱している。

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