9. 第8位の基準 デザイン性の高さは資産価値を底上げします
2007年から2008年にかけて販売されたマンションのなかで、デザイン性の高い物件をひとつ挙げるとしたら、加賀レジデンスでしょう。建築とデザインが融合している点は、他のマンションと比較して頭ひとつ抜けていると思います。
まず、外観です。構造上の柱や梁が建物に露出しない「壁式免震工法」を採用することで、建物の縦ラインと横ラインが格子状に揃い、非常にシンプルですっきりしています。階高3.1m、バルコニーの軒高2.7m、リビングのサッシ高2.5m、そしてスパン約7.5mが織り成す外観は、構造体とデザインが一体となってシャープで研ぎ澄まされた美しさを創り出しています。人間でいえば、服や化粧の力を必要としない、すっぴん、裸で美しさが際立つ人とでもいいましょうか。
外壁の白と透明感のあるガラスのバルコニー手すり、フルハイトハイサッシを多用することで、建物の色を意図的に減らしています。空の青さ、木々の緑など、周囲の景観の中にある美しい色をきわだたせ、結果として、建物自体も美しく見せるという計算がなされています。
色やデザインが奇抜すぎて、周囲の街並から浮いてしまうデザインのマンションを時々見かけますが、私は、あまりカッコ良いものではないと思います。
また、神々は細部に宿るといいますが、ガラスのバルコニー手すりは、外から洗濯物が見えないように、反射するガラスが使われており、空調などの室外機はルーバー付きの白い収納庫におさめられています。またバルコニーの床も白いタイル貼りになっています。どこから見ても、デザインの乱れがないように、細かい注意が払われています。
室内に目を向けると、一般的に壁についている通気口はフルハイトサッシの足元に、リビングの空調は天井カセット式になっています。インテリアも壁や天井、建具などは白、床はナチュラルなフローリングとシンプルにまとめられています。外観のデザインコンセプトは内部においても一貫しているわけです。
現在流行中の装飾性の高いホテル仕様のデザインとは一線を画し、シンプルでモダンなデザインは年月を経ても陳腐にならない、普遍的なデザインではないでしょうか。
このようにデザイン性の高いマンションは、その地域のシンボル的存在になることが多く、住む人にとっては誇らしいものです。また、中古になると、あのマンションに住みたいと、指名買いする人も出てきます。どうせ住むなら、デザインの美しいマンションをお勧めします。
デザイン性の高さはそのマンションの資産価値を底上げする要素といえるでしょう。
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