第3回 あなたに合う街、あわない街の見分け方
私は東京圏のマンション立地を12のタイプに分けて見ています。
この街のタイプは第1回でご説明した通勤立地4ブロックと、第2回でご説明した生活立地3エリアを掛け合わせたもので、4ブロック×3エリア=12タイプです。
この12タイプの街の中で、どの街に向くかを判断するために4つの軸をたてました。
・妻の働き方 フルタイムか(都心ブロック寄り)、パート・専業主婦か(郊外ブロック寄り)
・生活の中心 仕事か(駅近エリア寄り)、子育てか(ギリギリ徒歩圏エリア寄り)
・子供の教育方針 個性に合わせて勉学重視か(都心ブロック寄り)、伸び伸び重視か(郊外ブロック寄り)
・子供の数 1人か(駅近エリア)2人か(徒歩圏エリア)3人か(ギリギリ徒歩圏エリア)
そのなかで、DINKSに向く街は8タイプあります。また8タイプのなかでも一生DINKS派に向く街は4タイプ。将来子育て派に向く街は4タイプと、それぞれ分かれています。
以下の表をご覧ください。
一生DINKS派は妻が都心へフルタイム勤務という働き方が多く、仕事中心の生活になる傾向があります。子供のことを考慮に入れる必要はありませんので、向く街は、都心、準都心ブロック、最寄り駅徒歩10分以内のエリアにある街4タイプとなります。
街のタイプと街名をあげてみましょう。
各街のタイプが具体的にイメージできるよう、代表的な街名を挙げてみましょう。
「繁華街」タイプ 渋谷、六本木、新宿
「歴史ある下町」タイプ 麻布十番、佃、千駄木
「駅前商店街」タイプ 下北沢、中野、三軒茶屋
「明治からの高級住宅街」タイプ 小石川、目白台、池の端
一方、将来子育て派DINKSの多くは、妻が一時期専業主婦、もしくは地元でパート勤務という働きかたの変化が生じます。また、子育て中心の生活になり、子供の数によって準郊外ブロック、最寄り駅15分以内のエリアにある街4タイプとなります。
街のタイプと代表的な街名を挙げてみましょう。
「江戸からのお屋敷街タイプ」本郷、駒込、麹町
「新しい下町タイプ」大森、大島、住吉
「ショッピングセンター付き住宅地タイプ」みなとみらい、幕張、さいたま新都心
「大正からの高級住宅街タイプ」成城学園、吉祥寺、荻窪
ところで、一生DINKS派が「ショッピングセンター付き住宅地」を選んだとします。
生活立地としては駅徒歩5分以内でしかも、自宅にたどりつくまでには日常生活に必要な買い物もできますので、生活利便性は申し分ないでしょう。ところが通勤立地は準郊外ですから、通勤時間はドアツードアで40分以上はかかってしまいます。仕事と家事の負担を考えると、働く妻には向かない街といえるでしょう。
また、子育てが始まった元DINKS妻にとっては、「繁華街」タイプは騒音、空気汚染、日照条件の悪さなど、子供にとって適した住環境とは言いがたいものがあります。
同じDINKSでも一生DINKS派に向く街である「繁華街」「駅前商店街」タイプは、子育て派DINKSには向かない街です。同様に子育て派DINKSに向く「ショッピングセンター付き住宅地」「大正からの高級住宅地」タイプは、一生DINKS派には向かない街といえるでしょう。
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