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安全・安心に暮らせる立地とは?

東北関東大震災は、計画停電や液状化による下水道の破損、建物・道路の被害というかたちで、東京圏に暮らす人々の暮らしにも影響を及ぼしています。 こうした被害状況をもとに、安全・安心に暮らせる立地について考えてみたいと思います。 東京圏の計画停電の対象から除かれているのは、人口が集中していて、停電による影響が大きい地域と説明されています。板橋、練馬、荒川、足立区を除く東京23区や横浜市の中区、西区、神奈川区がそうした地域に該当します。 人口集中という視点から計画停電対象外の地域である東京区部を見てみると、都心5区といわれる千代田・中央・港・新宿・渋谷に多数のオフィスが集積し、1都3県から約3300万人の人が働きに来ています。また、東京都区部は、日本の賃貸オフィス市場の56%を占めており、世界でも類を見ない巨大都市として機能しているといえます。 地震発生時の夜(11日)は電車が運行されなかったため、帰宅できない人9万4000人が東京都内の施設で、また数字は不明ですが、多数の人が勤め先のオフィスで一夜を明かしたことからも、その人口集中の度合いが、いかに高いかが分かります。 今回のような甚大な被害を及ぶす災害を想定すると、東京都区部への一極集中を是正し、機能分散を図るべき、という声が聞こえきそうです。しかしながら、かつて国会を地方移転する費用として資産された額は13兆~14兆円。いみじくもこの金額は今回の東北関東大震災の復興に要すると予想される公的資金とほぼ同額です。当然ながら国会移転はわが国の財源の状況からみて、優先順位は高くはならない、と思われます。 また、この震災前に国土交通省は、今後50年間に必要な社会インフラの更新費は約190兆円で、37年度には更新費が国と地方の投資可能総額を30兆円も上回るとの試算を発表。今後の人口減少による税収減の一方で、耐久年数を迎える社会インフラが増大するなか、投資効率の高いエリアの社会インフラ整備が優先されることになると考えられます。 こうした状況を踏まえ、マクロ的な視点から考えると、投資効率の高い都心4区の機能を敢えて分散させるというより、より安全・安心な災害対策をとるべく、これらの地域および職住近接エリアとなるその周辺部のインフラ整備をより強化する方向へと向かうことが予想されます。 こうしたことから、東京都区部へお勤めの方にとっては、安全・安心に暮らせ、人々にとって最大の資源である時間を効率よく使って、仕事と個人の生活を共に充実させるということを考慮すると、より都心5区へ近い職住近接地域を住まいの立地と見なすことは、有効な選択肢と考えます。具体的には、山手線から乗車時間20分以内の地域で、東京23区内およびその周辺地域がひとつの目安となるでしょう。これまで、そうした地域は利便性が高いために、住宅価格は高くならざるを得ませんでした。しかしながら、人口減、少子高齢化、小世帯化の影響により、賃貸の空室率や持ち家の空き家率が郊外部を中心に高まり、住宅の供給エリアはこの先も都心へ回帰していきます。しかも需要減にともない、価格も徐々に低下し、かつて高くて住めなかった地域が一般的な勤労者にとっても住める地域になっていくことが予想されます。 その上で、ミクロ的には、東京都をはじめとして各自治体で公表している、地震や水害、土砂崩れなどの災害に関するハザードマップを閲覧し、より具体的な立地の安全・安心度を確認して、自分に合った立地を絞り込んでいただければと思います。 私が企画・運営するマンション評価ナビwww.mansi-n-hyoka.comは、まさにそうした地域にある総戸数200戸以上の中古マンションを調査して中立・公正に評価し、評価点とともに、その根拠となる情報を調査者のコメントを通して提供しています。ご活用いただければ幸いです。

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