Home > マンション選びの新基準 > | ちょっとひねくれたマンションの見方 > | こぼれ話 > 築30年超のマンションを売るときに知っておきたいこと

築30年超のマンションを売るときに知っておきたいこと

築35年超のマンションは誰もが買いたい物件ではありません。また、誰もが買える物件でもないのです。その理由をご説明します。

築30年超のマンションはローンがつきにくい

私は、築35年で買ったマンションに5年住み、もうすぐ築40年というところで、売りにだしました。超築古マンションは、同程度規模の新築価格の 3~4割程度の価格に査定され、売り出しました。したがって相当な割安感があり、見学に訪れる人は数十組となり、結構な数に上りました。そのうち数組は気 に入ってくれ、銀行へ住宅ローン借入の審査を申請しました。

ところが、築35年超の物件は担保力が低く評価されるため、融資がおりない、おりても短期間での返済となるなど、ローンが組みにくい状況がありまし た。したがって、買える人は限られてしまいました。幸い売り出して2か月で現金で購入するという買い手が現れてほっとした次第です。

マンションでも、土地の持ち分が重視される

築35年超のマンションの買い手は、老朽化した建物を壊したあとの更地の持ち分が、最後に残る資産と考えます。

そこで、土地の持ち分がいくらなのかを気にします。マンションのハシリのころに建ったものは、比較的敷地にゆとりを持たせており、11・12階程度のものが多いため、総戸数も60戸~80戸程度です。その分各住戸の土地の持ち分は比較的多くなります。

1990年代以降に建てられた超高層マンションは総戸数1000戸を超える規模のものが多く、各住戸の土地の持ち分は相当少なくなります。そうした点では超築古マンションの最終形の資産価値は高いものが多いということになります。

古くて汚い住戸はリノベーションしたほうが売りやすい?その理由をお話しします。

建て替えると規模が小さくなってしまうマンションも

築年数が35年を超えるマンションは、建てられた後に日影規制のルールが設けられました。その結果、新しいルールからみると容積率オーバーの物件となり、建て替える際は、現状より階数の低い建物しか建てられなくなるというものもあります。これを既存不適格物件といいます。

敷地にゆとりのあるマンションは、建て方の工夫によっては、たとえ容積率が少なくなってもこれまでと同じ規模の建物が建てられる可能性もあります が、こればかりは、いざ、このように建て替えるという具体的プランがなくては判断のしようがありません。買う決断をする前に日影規制と容積率との関係を確 認しておいたほうが、資産価値の面では安心かと思います。

このように、超築古物件ならではの癖があることは間違いありません。やはり買い手となる人は、どうしてもこの立地が良い、自己資金に余裕がある、不 動産に慣れているなど、限られた人にならざるを得ません。私の住戸を買った方も、ずっと同じエリアに住んでいて、このマンションのことを以前から知ってい たそうです。いつか自分の条件に合う住戸が売りに出たら買おう、と考えていた方でした。

限られた人しか買わない超築古マンションですから、引く手あまたというわけにはいきませんが、立地の良さ、維持管理の良さが十分につたわれば、資産価値を認めてくれる、買い手は必ず現れると考えます。

古くて汚い住戸はリノベーションしたほうが売りやすい

中古マンションを敬遠する方々に理由を聞くと、古くて汚いからという答えが返ってきます。私は入居する5年前にリノベーションしましたので、売り出し時もまだかろうじて、きれいな住戸の部類でした。

同じマンション内での他の売り出し住戸のほとんどが、リノベーション専門の不動産会社に買い取ってもらい、リノベーション後に売り出しするケースで した。一度、リノベーションせずに売り出した住戸がありましたが、なかなか買い手がつかないのか、しばらくするとリノベーションを行い、再度売り出しをか けていました。

こうしてみると、超築古マンションは不動産業者に買い取ってもらい、リノベーション後に売り出すほうが無難かもしれません。

ただし、不動産の市況が良い時は買い取りますが、売れ行き不振時には買い取りませんので、売り出し時期のタイミングを図る必要があります。

それでは、売るタイミングについてお話しします。

売るタイミングを図る

最後に超築古マンションは買いと売りのタイミングを図ることがとても重要です。私がこのマンションを買ったのは2004年で中古マンションの価格相 場は底に近いくらい安い水準でした。売ったのは2009年でこれまた底に近い水準でした。私は安い時期に買って安い時期に売ったことになります。

超築古マンションは買い手自体が限られているので、より、需要の多い安くなった時期を捉えて売るほうが売りやすいと、実感する次第です。安い時期に 買って高い時期に売るのが理想ですが、日々の生活が優先するマイホームですから、不動産市況に合わせての売り買いにはおのずと限界はあります。せめて高い 時期に買って安い時期に売るというのは避けたいものです。

また市況以外のタイミングとしては、玄関やエントランスのバリューアップ後や周辺の再開発による住環境の改善後に売りのタイミングを図ることが望ましいと考えます。

以上、敬遠しがちな超築古マンションですが、立地が良い、維持管理が良い、のであれば、新築より安くて広いマンションにリノベーションして自分らし く住むことができます。立地の良いところで、買いやすい価格のマンションを購入したい場合の選択肢のひとつとして、特に立地優先派にはお勧めです。

Comments:0

Comment Form

Trackbacks:0

TrackBack URL for this entry
http://www.mansion-hyoka.com/mt/mt-tb.cgi/36
Listed below are links to weblogs that reference
築30年超のマンションを売るときに知っておきたいこと from マンション評価ナビ・評価者ブログ

Home > マンション選びの新基準 > | ちょっとひねくれたマンションの見方 > | こぼれ話 > 築30年超のマンションを売るときに知っておきたいこと

カテゴリー
最近の投稿

ページのTOPへ戻る