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将来価値の高い中古マンション4 居住者のコミュニティ

マンションの将来価値を決める要素として、管理形態や管理費・修繕積立金の額の妥当性について述べてきましたが、結局のところ価値を維持向上させるのも、低下させるのもそこに住む人次第といえるかもしれません。

将来価値は住む人次第
なぜなら、マンションは生き物みたいなところがあり、修繕計画どおりに劣化が進むわけではなく、そのマンション特有の建てられ方による、独自の変化が必ず生じてきます。そこで新築当時に管理、修繕計画が作成され、妥当な金額が毎月支払われたとしても、独自の変化に対応して、当初の計画を見直して改善へとつなげていくことが必要になります。    
住民の管理・修繕についての問題意識と解決のための決断、実行が求められるのです。
居住者が同じ目線でマンションの将来価値の維持・向上についての価値感や知識を共有していない限り、反対や無関心な人が阻害要因となり、円滑な管理・修繕は実行されません。

それでは、円滑な管理・修繕が実行されやすい居住者が多く住むマンションは、どのように見分けるのでしょうか?
マンション評価ナビが培ってきた調査ノウハウにより、見分け方をご紹介しましょう。これがいたって常識的なことなのです。
・居住者がきちんと挨拶するか
エレベーターに乗合わせたり、共用廊下ですれ違うときに居住者が居住者以外の訪問者にも挨拶するかどうかが、最大のポイントです。
マナーを守る良識的な居住者が多ければ、自分たちの住まいを大切に維持管理していこうという意識も当然ながら高いといえます。
・ゴミ出しはルールに則ってきちんとなされているか
・自転車置き場の自転車の置き方が乱雑ではないか
・共用廊下に傘やベビーカーなどの私物が置かれていないか
いずれも規則を守らない人がいると、マンションの居住性がおち、結果として価値も低下していくことが予想されます。
1階の掲示板に、深夜大きい音をたてて眠れないという苦情が出ていて、他者に迷惑をかけないように。とか、たばこのポイ捨てが発見されました、危険ですからそうした行為は慎みましょう。といった注意を促す張り紙がなされるようであれば、ちょっと心配なマンションといえるでしょう。

価値の維持向上に積極的な住民が多いかどうかを見分ける方法 
マンションの劣化を修繕し、価値を維持するというだけではなく、もう一歩進んで新築マンションにも負けない価値向上を果たすために、リニューアルするマンションも見られます。
 そうしたマンションの見分け方は以下のとおりです。
・(財)マンション管理センターに管理組合として登録しているマンション
登録すると、マンション管理についての最新情報の提供や修繕積立金を算出する割引料金サービスなど、価値の維持・向上へのサポートを受けることができるのです。すでに全全国で約8000の管理組合が登録しています。
・マンションみらいネットに管理情報を登録し、積極的に公開しているマンション
自分たちのマンションの管理・修繕履歴情報をマンション管理士を通してマンション未来ネットに登録している管理組合は将来価値の維持・向上について熱心ということがいえます。
・理事会専用ポストがある
積極的に住民からの声を収集するご意見箱的な役割だけではなく、金融機関やその他管理組合運営に関する取引先からの郵便物などが届く窓口があるかどうかで、その組合の活動の幅というものが分かります。絶えず外部との交渉が活発に行われているかどうかは、将来価値を維持・向上するための基本的行動力が備わっているといえるでしょう。
・管理組合を法人化し、ひとつの事業体として運営する
建物の修繕のためなどに、管理組合が金融機関から融資を受ける場合にも、管理組合の代表者の肩書をつけたり、個人名義で借入たりすることになり、債務の帰属が不明確になります。また、場合によっては、その活動によって隣地など、不動産などの財産を取得する場合もあり、取得した財産は、管理組合自身のものなのか、それとも区分所有者全員のものなのか明確ではありません。
そうした不明確な点も法人名義にすれば登記名義は法人自身とすることができ、法人名義で融資を受けることができます。より積極的に組合活動を展開するなら法人化という手法が合理的といえます。

多様な住民が住むマンションの管理組合の運営は難しい
1000世帯にもおよぶタワーマンションは、40㎡のワンルームから160㎡超の4LDKまで多数のバリエーションの住戸があります。当然、シングルからファミリーまで多様な人々が住むことになります。年齢も30代から70代と幅の広さが予想されます。
おのずと収入にもかなりの格差が生じてくると思われます。
このように多様な背景を持つ者同士が住んでいるマンションで、たとえば、大規模な修繕を実施するにあたり、数十万円単位の一時金の拠出が求められたとします。この場合3/4の賛成がなければ大規模修繕は実施することができないわけですが、決議にいたるまでには相当の困難が予想されます。建て替えは4/5の賛成が必要ですが、建築費用の拠出や二度におよぶ引っ越しなど、金銭的、精神的負担が多く、余程のメリットがなければ、高齢な居住者などの反対も多く、決議は不可能に近いのではと思われます。

このように、多様なひとたちが集まって暮らすマンションでは、将来価値を高めるのも低下させるのも、住み手次第ということがお分かりいただけたと思います。
マンションを購入するには、3PといってPLACE(立地),PLAN(マンションとしての商品力)、PLICE(価格)の3要素のバランスが大事といわれてきました。
私はそこにPEOPLE(居住者)を付け加え、4Pのバランスをチェックすることをお勧めします。

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