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マンション選びの新基準 第4回

新線・新駅開業は資産価値にどんな影響を与えるのか

影響力はエリアによって大きく異なる

新線や新駅が開業すれば、エリアへの影響は計り知れません。当然のことながら、マンションの資産価値にも大きな影響を与えるではないかと考えられます。

過去の例をみると、たとえば、2000年に東京メトロ南北線が開業して、白金高輪駅、白金台駅が開業したときには、両駅を最寄り駅とする中古マンション平均坪単価は1年で10%前後上昇しました。両駅周辺は都内でも有数の高級住宅地ですが、交通アクセスは必ずしもいいものとはいえず、JR山手線の目黒駅や五反田駅には徒歩15分以上かかります。それが東京メトロ南北線だけではなく、同時に実現された相互乗り入れによって都営地下鉄三田線も利用できるようになったのですから、それも当然のことでしょう。しかも、当時はマンション価格が底値で推移している時期でしたから、この両駅の平均坪単価上昇が一際目立ちました。

ただ、新線や新駅が開業すれば、どこでも資産価値が上がるというものでもありません。なかには、ほとんど影響しないこともありますし、市況が悪化しているときには、他のエリアと同様に低下するケースもあります。

もともとのポテンシャルの高いエリアであることが重要で、そこに新線・新駅開業というプラス要因が重なってこそ、価値が高まるということになりそうです。では、今後はどうなのでしょうか。首都圏で開業が予定されている新線・新駅情報をみてみましょう。

都心部での新線や新駅開業は一段落

ただ、残念ながら、都心部やその周辺では、昨年の東京メトロ副都心線の開業で一段落し、大きな影響を与えそうな情報は少ないようです。

そのなかでも、新線計画としては2010年度に開業予定の成田新高速鉄道線、2013年度予定の相鉄・東急直通線、相鉄・JR直通線計画などが挙げられます。また、新駅としては2009年度中開業予定のJR東海道線武蔵小杉駅、東京モノレール・京急空港線の国際(線)ターミナル(ビル)駅などが挙げられます。

●首都圏の主な新線計画

事業者          線名              区間

京成電鉄        成田新高速鉄道線        京成高砂~成田空港

相模鉄道・東京急行電鉄 相鉄・東急直通線        羽沢~日吉

相模鉄道        相鉄・JR直通線        西谷~羽沢

●首都圏の主な新駅計画

事業者          線名              区間

東日本旅客鉄道     JR湘南新宿ライン・横須賀線  武蔵小杉駅

東京モノレール     東京モノレール羽田線      国際線ターミナルビル駅

京浜急行電鉄      空港線             国際ターミナル駅

東日本旅客鉄道     JR京葉線           寒川駅

東日本旅客鉄道     JR武蔵野線          吉川駅

東日本旅客鉄道     JR湘南新宿ライン       浦和駅

関東鉄道        常総線             下高井駅

武蔵小杉では大型物件の苦戦が続く

JR湘南新宿ライン・横須賀線の武蔵小杉駅は2009年度末の開業予定ですが、もともと東急東横線、JR南武線が交差し、都心や各方面への足回りが悪くないエリアですから、そこに新駅が加わり、東京駅や新宿駅にダイレクトにアクセスできるようになるとはいえ、影響は限定的なようです。

武蔵小杉エリアは、数年前からマンション販売の激戦区として知られ、いまも「パークシティ武蔵小杉」(総戸数1437戸)、「リエトコート武蔵小杉」(総戸数542戸)、「シティハウス武蔵小杉」(総戸数188戸)などの竣工済みのマンションの販売が続いています。このうち、「リエトコート武蔵小杉」は東横線の武蔵小杉駅からは徒歩6分ですが、湘南新宿ライン・横須賀線の新駅ができれば、そちらからは3分になります。同様に、「シティハウス武蔵小杉」は東横線武蔵小杉駅は徒歩7分なのが、新駅は2分とまさに駅前立地になります。それだけに、開業が目前に迫っているいま、利便性の向上から、売れ行きに影響が出てもよさそうですが、いまのところ、さほど大きな変化はないようです。

相鉄線沿線や京成本線沿線への期待高まる

新線計画では、相鉄線のJR湘南新宿ライン・東急東横線との直通線計画があります。まず相鉄線西谷駅からJR東海道貨物線横浜羽沢駅までの2.7㎞をトンネルでつなげ、JR湘南新宿ラインと相互乗り入れする計画です。同時に、横浜羽沢駅から東横線日吉駅までの10.0㎞をやはりトンネルでつなげて、東急東横線・東京メトロ目黒線との相互乗り入れを実現します。2013年度中の開業予定で、完成すれば、相鉄線二俣川駅からJR湘南新宿ラインの新宿駅までは現在59分かかるのが、44分に短縮されます。やはり二俣川駅から目黒駅までは現行54分が38分になります。まだ、かなり先のこととはいえ、相鉄線沿線の利便性向上への効果が期待されます。

また、成田新高速鉄道線は、北総鉄道北総線の印旛日本医大駅と成田空港駅との間の19.1㎞をつなげ、同時に既存の京成線の改良を実施、上野駅と成田空港間の時間の短縮を実現、現在は最速51分が36分になります。こちらは2010年度中の開業予定ですが、京成線の改良によって、最速130㎞まで可能になり、沿線各駅の都心との時間短縮も期待されます。

相鉄線、京成線ともに首都圏のなかでは比較的価格が安いエリアだけに、将来性をにらんで先物買いしておく手もあるのではないでしょうか。

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