広尾ガーデンヒルズを評価してみました

2008.12.26 at 10:12 pm by

hiroo 知る人ぞ知るプレミアムマンション「広尾ガーデンヒルズ」を勝手ながら評価してみました。
きっかけは、私が運営する「マンション評価ナビ」のユーザーから新築だけでなく中古マンションの評価を望む声が多くなったことから、実証実験的に試みたというわけです。

古くても居住性の高いマンションかどうか、という視点で110項目の評価項目を設定し、評価を実施した結果が以下のとおりです。

評価点は5点満点です。

拠点性の高さ(交通・生活の利便性) 4.2点

住環境の良さ            4.0点
居住性の高さ(共用部分)      2.8点
居住性の高さ(住戸部分)      2.9点
デザイン性の高さ          4.0点

昭和60年竣工当時、インターナショナルな街広尾に誕生した三井不動産、三菱地所、住友不動産、第一生命の大手4社による総合プロジェクトで話題になったマンションです。
今回評価したウエストヒルはI・J・Kの3棟からなっていて、その他のヒル(サウス・ノース・イースト・センター)のなかでは、グレードは中間レベルです。ちなみに一番グレードが高いのはサウスヒル、次にセンターヒルとなっています。
外観は重厚なタイル張りで、植栽も成長しているため、経年変化による劣化よりは成熟した街並の形成を感じさせます。しかし、エントランスや共用廊下などは広さも含め、仕様グレードは今どきの億ションと比べると平凡で地味な印象をあたえます。
たまたま調査時K棟は3階の外部窓付近からの雨漏り補修工事がなされていました。やはり築年数が20年超経過しているため経年劣化でそのような箇所が出てくると考えられます。
住戸のもともとの内装のグレードは、玄関の土間が大理石以外は標準並みといったところでしょう。今となっては、リフォームしている人も多いでしょうから、グレードについてはまちまちであることが予想されます。

やはり問題はどの中古マンションにもいえることですが、給排水管についてです。このマンションでは給湯に関しては塩ビ管で問題ありませんが、給水が鉄管のため、1週間以上留守にした後、給水を利用すると赤水が出ることがあり、その取替え工事が当面の課題となっているとのことです。
しかしながら、維持・管理は良くなされており、5年ごとの維持計画書も作成されており、こうした給水管問題もきちんと解決されることが予想されます。
今でこそ珍しくない24時間有人の管理センターを、約20年前から設けており、先駆的です。管理は、ヒル棟ごとに支部会があり、それを全体で統括する理事会が形成されており、この集団管理システムは当時としては新しい試みでした。
平成7年以降、ほぼ毎年部分的な修繕が実施されています。平成11年には外周壁、鉄部、減圧弁などの大規模修繕が、その翌年には防水工事が実施されています。修繕積み立て金の残高は潤沢で、この先に控える大規模修繕をまかなう費用としては十分といえるでしょう。

築20年を超えるマンションですから、建物については性能表示を取得しかつ最先端の免震工法などの技術で建てられる、新築と同様とはいきません。とはいえ、この先も適切なメンテナンスを行うことにより、快適に住むことができる管理システムがある点は安心できるでしょう。
何より、高い拠点性、住環境の良さは都心部のマンションのなかにおいて群を抜いた存在といえるでしょう。

古いものより新しいものが好まれる傾向にある日本ですが、メンテナンス次第では丈夫で長持ち、熟成した魅力も備わる中古マンションには捨てがたい魅力もあるのです。
何やらわれわれシニア世代と相通ずるところがありますね。

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