マンションパンフのちょっとひねくれた見方

2007.11.2 at 10:11 am by

いくつものモデルルームに行き、豪華なものからシンプルなものまで、いくつもの資料を見ました。そこで気づいた点をお伝えしたいと思います。

物件により異なりますが、一般的にはモデルルームで渡される資料の袋には

1 そのマンションを紹介する写真やパース

2 周辺のお店や施設、交通機関の情報

3 構造や設備の品質書類

4 図面集

5 価格表 が入っています。

1のマンション紹介パンフレットの多くは、コピーライターが考えたであろう言葉がちりばめられています。曰く「時空を超えた空間」「新たな洗練の景」「風趣な序章」など、響きの良い言葉、でもよく考えると意味不明の言葉。そしてオプション満載で、生活につきものの雑多な物が置かれていない美しく飾られたモデルルームの写真。この1冊は、無視はしないまでも、頭の片隅に置いておく程度にしたほうが無難です。

2は「生活ガイド」などの名前がついたもの。付近のお店などが紹介され、便利な資料です。気をつけなければならないのは、良いお店は紹介されても、迷惑なお店は載っていないことです。たとえ隣にうるさいパチンコ屋があっても、それは書かれていません。スーパーはどんなに品揃えが乏しくとも「近くにスーパー有り」と紹介されます。また、駅や施設への距離は「徒歩○分」と表示されますが、それは1分80mで歩いた時の時間です。途中に坂があったり、荷物があればそれ以上はかかるでしょう。つまり、このガイドを参考に実際に自分の目で見て、自分で歩いてみることが必要です。

3の品質書類には、建物の構造や、住戸内部の設備などが書かれています。もちろん嘘は書かれていませんが、法規上当然である事を、あたかも特別な事であるかのように表現しているものもあります。普通の仕様であるのに、優れた仕様であるような表現もあります。

例えば、戸境壁の厚み18cmは一般的であるのに「プライバシーを配慮した18cm」という表現になっていたり、「リフォームがしやすい二重天井・直床構造」と書かれているものもありました。本当にリフォームを考慮するならば「二重天井・二重床」であるべきなのにも関わらずです。

4の図面集を見る時には工夫が必要です。配置図には道路の位置や幅は表示されますが、隣地の建物の記入はありません。配置図に現場で見た周囲の建物をメモすると、間違いがありません。

また各タイプのプランを見る時は、自分でベッドを書き入れてみることをお勧めします。縮尺は1/80とか1/70など分かりづらいですが、例えば1/80の縮尺では、1mは1000mm÷80=12.5mmつまり1.25cmになります。ベッドは約1m×2mですから、1.25cm×2.5cmになります。これを書き込んでみると、「実際にベッドを置いたらドアにぶつかってしまった」という失敗は減るでしょうし、他の家具の大きさの目安にもなります。

一方、シンプルでもツボを得たパンフレットは好感が持てます。

例えば

1 豪華過ぎないこと(すごい箱にパンフレットが入っていたり、大判の上質紙の写真などが多用されていないこと)
2 キャッチコピーの意味がわかること
3 不必要なイメージ写真等がないこと(例えば、先日調査したBマンションのパンフには江戸時代の絵図などが4ページ、ソメイヨシノが2ページ。豪華写真です・・・・)
4 品質説明が明快で分かりやすいこと
5 プランの縮尺が同じであること(例えばAタイプが1/80で、Bタイプが1/70だと見比べるのが面倒。面積の大小が大きく異なる場合は仕方ないですが)

ひねくれた性格の私は、豪華なパンフレットやモデルルームで立派なビデオ映像を見ると、「この制作費もマンション価格に含まれるのだなあ」と冷めた気分になります。このことを最後に付け加えておきましょう。

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