2008年 上半期高評価マンション ベスト10発表小規模ながら基本的性能の良いマンションが高評価に

2008.8.22 at 11:08 am by

「マンション評価ナビ」は、2008年1月から6月までに評価した90件の新築マンションのうち、総合評価ポイントが高かったマンションのベスト10を新聞、雑誌などのマスメメディアへ向けて発表しました。
ランキングは以下のとおりです。

2008年上半期 高評価マンションベスト10
順位
マンション名(総戸数)
ポイント
売 主
1
豊洲駅渡歩4分、48階建てが2棟
住友不動産
2
急行停車駅徒歩5分の閑静エリア
東京建物
3
緑豊かな眺望、バリアフリーに配慮
三菱地所
4
6400本の植栽、赤坂御用地の緑を臨む眺望
三井不動産レジデンシャル
5
良質な街並み形成に寄与する外観
鹿島建設
6
駅歩1分、23区最大級の再開発地
東急不動産
7
中庭から光取り入れ、快適居住空間
サンケイビル
8
全戸南向き、豊島が岡御陵を借景に
東京建物
9
プール、温泉浴室、音楽スタジオ付
クレアスライフ
10
五反田駅歩4分、共用サービス充実
野村不動産
風や光を感じる健康的な住まい
アーキネット

東京圏の新築マンションの供給数減少の影響により、評価対象となる新築マンションも90件と決して多くはない中でのベスト10発表となりました。
共用施設や管理サービスの充実している大規模マンションのほうが、高評価になりがちな中、今回は100戸未満の中小規模マンションが4件ランクインしました。

小規模ながら、大規模タワーマンションと肩を並べて評価されたポイントは、
・角部屋住戸の比率が高い
・ワイドスパンでLDのみならず居室もバルコニーに面している
・バルコニーに面した開口部の高さが2.1メートル以上
・住戸内の設備が充実している
・敷地内のガーデンスペースなど植栽計画にも注力

などです。

日照・通風・採光にすぐれ、かつ開放感のある住空間で、本来求められる居住性の高さを実現したマンションが高い評価を獲得したといえるでしょう。
反面、際立った個性を放つマンションが少なく、小規模だからできる特徴あるプランという強みが発揮されていないのは残念です。
また、住戸内の設備が充実しているものが多いのは、販促効果が高いとされているからですが、最新設備競争もここにいたっては、ほぼ横並びの様相を呈してきており、購入検討者にとっては、付いていて当たり前という段階に達しているような状況です。

こうしたマンションのなかで、ひときわ異彩を放っていたのが、特別枠の「motif等々力」です。厳密にはマンションではなく、タウンハウスなのですが、きちんと計画デザインされた建物は個性的。中庭から、それぞれ地下~2階までのメゾネット住宅にアプローチできる造りになっており、風や光を感じる健康的な住まいといえます。
共用施設がなく、巡回管理、コンクリート打ち放し、性能評価を取っていない、などの理由で高評価得点には結びつかなかったものの、万人向けとはいえませんが、好きな人にはとても魅力のある集合住宅です。

用地高、建築費高により、東京圏においては、当分、大規模物件の供給が手控えられる一方で、小規模なシングル・カップル向けのマンション供給は一定水準を維持する傾向にあります。今後、小規模マンション間の競争により、個性あるマンションが多数販売されることを期待したいところです。

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