●タイルは剥がれることがある

2010.8.11 at 12:08 pm by


さくら事務所には、新築マンションを購入して2年以内の管理組合さんから、意外とたくさんの調査の依頼が入ってきます。

『築浅なのに、不具合が出ている』というわけではありません。
(そういう物件もたまにありますが)

契約上、無償補修してもらえるような不具合が、存在していないかを予防的に点検して欲しいというご依頼なのです。

マンションを契約された方は皆さん、契約時に売主デベロッパーから「アフターサービス基準」というものをもらっていると思いますが、ここには居住者の責任ではなく破損したものについて、項目別に2年・5年・10年などの無償補修(アフターサービス保証)期間が記載されています。
(軽微な経年劣化除く、年数と保証項目は売主により異なります)

例えば、外壁タイル。
不具合例を挙げると、接着力不足による『タイルの浮き』

コンクリートに密着しきれておらず、見かけには何も変化がないのに、ある日、強風などにあおられて、あの固いタイルが何枚もまとまって宙を舞い、道路を歩いている人にぶつかって怪我をさせたり、周辺の住宅や車を破損させた例はいくつも報告されています。

『それって、築年数が古いマンションの話じゃないの?』
と、よく聞かれますが、いえいえ、そんなことありません。

下の写真は、管理組合の依頼で「もし何かあれば、売主にアフターサービス補修を頼もうかな」と、予防的に点検を依頼されて伺った物件のもの。

居住者の誰もが気付いていませんでしたが、浮きを調べる「打診点検」を行ったところ、建物の大半のタイルが浮いて接着力が弱いことがわかりました。

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緑のテープで囲んでいるところは、コンクリートへの密着が弱くなっているところ。

タイルの補修は、足場を組まないと直せないところにも及んだ場合は、百万円・二百万円では補修費用は納まらないレベルになってしまいます。

売主により、2年~5年のアフターサービス保証が設定されていますが、新築時の施工に起因する不具合は、この期間内に見つけて売主に申告しておかないと、万が一不具合が期間外に発生しても、すべて、居住者たちの修繕積立金で直すことに。

また、人に怪我などをさせると、管理組合の建物管理者としての責任問題に発展しますから、お金だけの問題ではなくなってきます。

新築時の施工に不備があったのに、事故が起きるまで管理組合は気がつけなかったというのは、本当に残念な話。

そういったことに敏感な管理組合さんが増えているのか、さくら事務所でも共用部チェックというサービスは非常に人気があります。

アフターサービス保証期間が続いている、2年以内に一度は外壁タイルや地下ピット(メンテナンス用空間)、屋上などの「健康診断」を実施することをお勧めします。

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