●共用部の気になることは理事会へ

2010.5.31 at 12:05 pm by

マンション内覧会立会いをご利用いただいたご依頼者から、たまに受ける相談の中に「1年目の定期補修のときに、共用部で直して欲しいものを伝えたのに、まったく対応してくれなくて困る」というご質問。

「どうやったら、売主に直してもらえるものでしょうか。」

このご質問に対しては、基本的に「理事会(管理組合)から売主に通知してもらってください」とお答えしています。

一住戸の所有者も、もちろん共用部の所有者に違いありませんが、残念ながら、共用部分については一所有者から言われたからといって、すぐに動く売主はあまり聞いたことがありません。
(事故が起きそうな緊急度が高いものはさすがに対応するでしょうけど)

「売主に対応する気がない」というようなこともたまにはあるのでしょうが、どちらかというと、「共用部分の所有者は管理組合」という認識が強いからでしょう。

理論的には「じゃあ、一住戸の所有者が言うことだって同じじゃないか」となりますが、同じく所有者である他の居住者の意見も聞いていないままバラバラと出てきた意見を一件一件取り上げてしまうわけにはいかないという、合理的な理由もそこにはあるでしょう。

ただ、それなら「その意見は、組合を経由してくれれば、正式に対処を検討する」という説明を売主がしてくれればいいのですけどね。

多くのご相談者がおっしゃるのは「とりあえず、そのご意見は持ち帰ります、と言われてそのままになっている」ということですので、意見を出した側は、検討すると言ったくせに放置されている!と思うことでしょう。

では、いざ共用部分のことを管理組合から売主に言ってもらうといっても、管理組合全体の集まりは基本的に年1回。
それまで待てないものも多数あるでしょう。(アフターサービス期間が切れてしまうかもしれませんし)

ですから、共用部分で売主に補修・改良対応を希望したいものについては、その年の管理組合の代表を担っている、理事会に連絡して、検討してもらうことをお勧めします。

実際、個人の方が気付いた不具合がきっかけとなり、管理組合経由でさくら事務所に24ヶ月共用部点検のご依頼が入り、売主に外壁タイルなどを大掛かりに直してもらったという事例はあります。

理事さんをどなたも知らなくて連絡しづらいという方は、管理会社のフロント担当者(管理員さんじゃありませんよ!)に、理事会に知らせて欲しいとご連絡してみてください。

株式会社さくら事務所コンサルタント 辻 優子

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