実録タワーマンション住み心地評価2 共用部分の居住性

2010.2.2 at 09:02 am by

前回「実録!DINKSのためのタワーマンション評価1」に引き続き、ガイド大久保の超高層マンションの入居体験記です。今回は、共用部分の居住性についてレポートします。

2、共用部分の居住性について
――丈夫で長持ちする構造か

超高層マンションに住む不安は火災・地震などの災害です。当マンションを含む多くの超高層マンションは性能表示制度導入後に建てられたものが多く、超高層という性格上、免震・制震工法などを用いた耐震性、強度の高いコンクリートなどを採用した耐久性、スケルトンインフィル工法などによる維持管理のしやすい構造を備えています。大規模修繕には、それでなくても膨大なコストがかかることが予想されますので、可能な限りメンテナンスしやすい構造でないと入居者の負担が多くなってしまいます。

 
   

また、建て替えは理論上可能であったとしても、現実には合意形成をはじめ、建物を壊して建てるための時間とコストなどの面から不可能に近いので、できるだけ長持ちする構造が望まれます。そうした点から、一般的には、いちおう丈夫で長持ちする建物になっているといえるでしょう。

ただし、実際には災害が起こってみないと分かりません。このリスクが気になってしまう方には、超高層マンションは向かないでしょう。

では、共用施設や生活サービスの充実度を検証してみましょう。

2、共用部分の居住性について
――共用施設や生活サービスは充実しているか

 

生活サービスがデジタル化され、コントロールされています。そうしなければ、約700世帯超の巨大な超高層マンションでは管理ができないことを実感します。

たとえば、宅配便で届く荷物の管理方法です。エントランスで鍵をかざして開錠すると、電子表示板に宅配便が届いているという表示とともにアナウンスが流れます。アナウンスの指示に従い宅配ロッカーに行くと、該当する部屋番号が表示されており、暗証番号を入力すると荷物の入っているロッカー番号がアナウンスされ、ロッカーの扉があき、荷物を取り出すことができます。万一、荷物を受け取らず、部屋に入ったとしても、室内にあるセキュリティドアホンの表示板に「宅配」という文字が点滅し、一定サイクルでシグナルが鳴ります。

クリーニングの取次サービスもありますが、不在が多い住民に対応してクリーニングに出すものを入れるロッカー、出来上がったものを宅配ロッカーから受け取る仕組みが確立しています。

常にどこかで引越しが発生しています。荷物用エレベーターがないと、生活に支障をきたすことを痛感しています。

また、世帯数が多いので、そのマンション専用のNTT回線工事担当者がいます。インターネット通信の賢い配線方法をいろいろなお宅のやり方を見て確立しており、引っ越した直後には、適切なアドバイスをしてくれて便利に感じました。

それ以外、専用リフォーム屋さん、ハウスクリーニング屋さん、出張マッサージなど、需要者の規模が大きいメリットを生かした生活サービスは充実していて、忙しいDINKSには便利です。

では、共用スペースの清掃やゴミ捨てについて検証してみましょう。

2、共用部分の居住性について
――共用スペースの清掃、ゴミ捨てについて

 

多くの人が出入りする玄関や玄関ホール、エレベーターホール、共用廊下などは、毎日掃除しないとすぐに汚くなってしまいます。超高層階の窓の開かない部屋については、2ヶ月に一度のサイクルで、ゴンドラに乗って外から窓を拭いてくれる日があります。たまたま在宅中に、窓ふきの人と目が合いちょっとバツの悪い思いをしたことがありますが。こうしたことも管理費がかかる要因となります。

また、建物自体が巨大な真空パック状態なので、空調も換気も24時間必要で、維持費がかかります。

当然ですが、各フロアーにゴミステーションがあります。もしなければ、いちいち1階のゴミ集積場まで行かねばならず、大変な思いをすることになりますね。便利な分、管理費は低層マンションに比べ高くなるでしょう。

次回は、「室内の居住性」についてレポートします。お楽しみに!

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