実録タワーマンション住み心地評価1 拠点性

2010.2.2 at 09:02 am by

超高層マンションの住み心地については、DINKSの皆様も関心のあるところかと思います。眺望が素晴らしい、共用施設が豪華といった良い面とともに、子育てには向かないとか、地震・火事などの災害が心配など不安な面も断片的に語られていますが、本当のところ住み心地はどうなのでしょうか。

地上と同じように空中での暮らしも、ひとつの住まいの在り方として、将来にわたり定着していくでしょうか。

実際に超高層マンションに引っ越してみました

そこで私、百聞は一見に如かずで、実際に超高層マンションに住んでみることにしました。実は、今まで住んでいた築39年のマンションを売却し、買い替え先を探していましたが、引渡し時期がきても気に入った物件が見つからず、とりあえず仮住まいをすることになったため、せっかくだから超高層の賃貸マンションにしようと思いたったわけです。

56階建ての44階部分が現在の住まいです。2カ月半を経過したところですが、超高層マンションの暮らしについて、マンション評価ナビ流のチェックの仕方で、レポートしてみたいと思います。

ではまず、「駅まで徒歩3分」マンションの実態検証をしてみましょう。本当に3分?

1、拠点性について
――「駅まで徒歩3分」マンションの実態検証

このマンションは汐留に建っています。最寄駅である浜松町・大門は、JR以外に地下鉄大江戸線・浅草線、モノレール、千葉方面へいく長距離バスターミナルがあります。ちょっと足を延ばすとゆりかもめ(汐留)もあり、拠点性は抜群です。都内は言うに及ばす、国内外を活動的に飛び回る働き盛りの方々には、格好の拠点だと思います。

マンションのエントランスから、浜松町駅の改札口までは徒歩3分と表示されていますが、44階の部屋からエレベーターで降りてくる時間を含むと、約8分程度はかかっています。このマンションには、サラリーマン以外に、自由業、リタイア組など多様な方々が住んでおられるため、朝・夕の通勤時間帯にエレベーターの利用が過度に集中することはありませんが、それでも結構降りるまでの時間はかかるという印象です。

エレベーターは80戸に対して1基設けられています。この割合は他の超高層マンションに比べても決して悪くはありませんが、これ以上1基に対しての住戸数が増えると、イライラの原因になるかもしれません。月に1度はエレベーターの点検があり、その間は該当基は停止しますので、結構時間がかかり不便です。

その他の超高層マンションも同じように、拠点性の高さを特徴としたものが多く存在しています。また、朝の通勤時のエレベーター混雑により、駅までの所要時間がパンフレット表示時間にくらべ、相当かかってしまうことに対する苦情は多いようです。

では、楽しく暮らせる街かどうかを検証してみましょう。

1、拠点性について
――楽しく暮らせる街かどうか

 
 

湾岸エリアの先駆けとなった超高層マンションのひとつで、当時は賃貸マンションでは最高の高さを誇りました。湾岸エリアはもともと、工場や倉庫の跡地を再開発したものがほとんどです。都市計画上の制限からいえば、工業地域、準工業地域と考えられます。

したがって、このエリア(豊洲や晴海は別として)はそもそも、人が住むために必要なショッピング施設や病院、学校、公園などを中心とした街づくりは過去にはなされていません。超高層マンション建設の際に、新たに最低限必要な生活施設、スーパー、クリニックなどを備えた複合的な再開発によりできた新しい街がほとんどです。

当マンションの1階には24時間スーパー。2階には保育施設、医療施設、指圧・マッサージ店が入っています。隣のビルのセブンイレブンも利用できます。便利ではありますが、人の住む街としての歴史に裏打ちされた情緒や人間臭さとは無縁の街です。半面何のしがらみもなく、あっけらかん、さっぱりとした街といえます。

1日の大半を都心のオフィスで忙しく過ごし、私的生活時間の短い方々には利用価値の高い街といえるでしょう。

次回は、「共用部分の居住性」についてレポートします。お楽しみに!

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