高評価中古マンション 09年ベスト5

2009.12.11 at 02:12 pm by

マンション評価ナビでは今年の1月19日より中古マンションの調査・評価情報サービスを開始しました。この3カ月で約120棟の評価情報を公開していますが、その中から評価の最も高かったマンション上位5物件をご紹介します。

中古マンションの調査・評価方法とは

ベスト5をご紹介する前に、マンション評価ナビの、中古マンションの調査・評価方法についてご説明しておきましょう。

◆調査対象となるマンションは
立地:山手線主要駅から乗車時間20分以内の駅を最寄駅とし、かつ最寄り駅より徒歩10分以内の立地に建つマンション
戸数規模:おおむね200戸以上の大規模マンション

◆調査・評価方法
・一級建築士など住まいの目利きが実際に現地調査を実施
・調査項目は延べ101項目。項目ごとに基準値を設け、1点から5点で配点。拠点性、住環境、居住性(共用部分)、居住性(住戸内)、維持・管理の5つの観点から体系的に評価

◆実際にマンション評価ナビで公開するマンション
・総合平均点が3点以上の優良中古マンションのみを選別して公開
・地元を代表するブランドマンションやヴィンテージマンションを中心に公開

高評価中古マンションベスト5

評価の高かったマンションはベスト5は下記のとおりです。べスト3までは、いずれも隅田川と緑地に囲まれたリバーシティ21内の物件です。

順位 マンション名 総合平均点 拠点性 住環境 住居性(共用) 維持管理
第1位 センチュリーパークタワー 4.1 4.2 4.4 4.7 4.3
第2位 シティフロントタワー 4.3 4.1 4.2 4.0 4.7
第3位 スカイライトタワー 4.1 4.2 4.0 4.5 4.2
第4位 マスタービューレジデンス 4.1 3.5 3.6 4.6 4.6
第5位 青山パークタワー 4.1 4.5 3.4 4.1 4.3

 

 

 

 

 

それでは、第5位の「青山パークタワー」の評価ポイントをご説明します。

ベスト5 「青山パークタワー

 
 

青山パークタワー(平成15年3月築)は、旧梨本邸跡地に建つタワーマンションで、建設当時から話題にのぼった三井不動産分譲、三井建設、東急建設、大成建設共同施工のマンションです。専有面積約50m2クラスが一番多く86住戸、次に約80~90m2の住戸が77住戸、一番大きな住戸で230~240m2クラスが8室となっています。居室は、東西南北各方向に均等にあり、当該住戸は西向きで西側隣地にある渋谷アインス(18階)は約38m離れていますが対面して見えてきます。眺望は一部抜けて渋谷の街並みが見えますが タワーマンションとしての眺望を楽しみたい場合は方向と階数に注意が必要で、眺望に対応して価格帯もあがります。

住戸内は4種類の内装から選択できたそうですが、その他特別テイストとして世界の一流デザイナーの内装を選ぶこともできたようです。偶然見学できた住戸では、玄関から続くホール床から、リビングの窓台やトイレ、洗面、浴室の床にも天然石が使われ、イタリアンモダンな上質でプレーンな内装とともに高級感を出していました。玄関扉も重厚。まだ築浅なマンションのため、内装の高級感に目を奪われがちですが、事務所仕様のハイサッシや、二重床、二重天井、3.25mの階高、パイプスペースの住戸外設置は将来の改修にも十分対応できます。

VIPクラスの住人もいることから、セキュリティーは十分配慮されています。車寄せには昼間はドアマン、夜は警備員が配されています。24時間常駐管理、夜間は警備員5人体制で各箇所には集中監視盤によるカメラ監視システムが配されています。ホテルを思わせるフロントは取次、斡旋、手配などのサービスを行います。

築5年ということで建物は美しく管理されています。バックヤードとなる各階にあるリサイクルステーションや1階の集積場所も整理整頓され清潔です。共用廊下の手すりや段差の少ないプランなど 高齢化の進む時代を反映した配慮がされています。また、ペット用のエントランスや動線も用意され、人との交差をさけながら、ペットとの生活も楽しめる工夫がされています。 26階、29階にはタワーマンションならではのスカイラウンジ、バーカウンターをはじめライブラリーや宿泊スペースがあります。360度の眺望が楽しめる地上120m、一周120mの屋上にはスカイデッキや大理石貼りで噴水や滝などがあるエントランスなど高級感あふれる共用部が完備されています。

次に、第4位の「マスタービューレジデンス」の評価ポイントをお話しします

ベスト4 「マスタービューレジデンス」

 
 

マスタービューレジデンス(平成20年2月築)は、設計・施工・売主が鹿島建設株式会社のマンションです。総戸数241戸、15階建てで平成20年2月に完成。アウトフレーム構法とダブルチューブ構法(南棟)を取りいれ、柱や梁の出にくい空間づくりをしているため、居住しやすい空間になっています。渋谷から田園都市線でひと駅の利便性の高さにもかかわらず、マンション周辺は静かな環境です。

段差のある敷地を再開発したことで、緑地量も配慮された眺望のよいロケーションが確保されています。南・東・西の3棟に分かれていて互いに見合うことのないように配慮された配置計画になっています。 北側のマスターゲートにはゲートキーパーが365日有人管理をしています。内部も管理人さんやレセプションシステムの人が常勤していてセキュリティーと管理は高い評価です。

マンション周辺も含め、最寄り駅の池尻大橋周辺は街としての魅力度はいまひとつです。渋谷と三軒茶屋の中間点ということで致し方ない立地ではありますが、むしろマンション北側の駒場東大方向は文教地区の佇まいのある街が広がります。

総合的に評価すれば、建物は構造躯体、仕上げ、設備、のハード面とセキュリティー、共有施設、管理体制等、高評価のマンションです。しかしながら敷地外の周辺環境は既存の建物が混在した住環境で日常の買い物の店舗も少なめです。渋谷の隣駅ということで商業施設はそちらに集約しています。今後このマンションに呼応する住環境が周辺に誕生するかどうかがポイントでしょう。

次に第3位「スカイライトタワー」と第2位「シティフロントタワー」と第1位「センチュリーパークタワー」の評価ポイントをご説明します。

ベスト3 「スカイライトタワー」

 
 

スカイライトタワー(平成5年2月築)は、リバーシティ内に建つ総戸数336戸、地下2階地上31階のタワーマンションです。分譲当時の売主は三井不動産、施工会社は三井建設・日本国土・佐藤工業のJVです。センチュリーパークタワー・シティフロントタワーとブルーのトーンで色分けされデザインを統一した高級なマンションです。シティフロントタワーより多少新しい感じで好みが分かれるそうです。

住環境は隅田川と豊かな緑に囲まれた閑静な住宅地、将来も環境が良好に維持でき快適な暮らしができます。月島駅まで7分、2路線で都心まで5分ほど。生活に必要な施設はほぼリバーシティ内にあり便利な暮らしができます。

1フロアにある住戸数が少なく、間取りに対して面積が広いのが特徴です。住戸内は、天井高も新築のマンションと変わらず、ハイサッシ、日照や採光に恵まれています。眺望は西側の住戸が一番良いのですが、東側はシティフロントタワーとお見合いしています。

最近インターネットの光と地デジの工事が行われ、大規模修繕工事が2010年に行われる予定。管理はリバーシティ全体の管理とマンション自体の管理が行われとても綺麗にしていました。設備や省エネ環境に関しては新築のマンションと比べると、多少見劣りするのは仕方がないでしょう。

次に、第2位の「シティフロントタワー」の評価ポイントをお話しします。

ベスト2 「シティフロントタワー」

 
 
シティフロントタワー(平成3年8月築)は、センチュリーパークタワー同様、月島再開発地域の先駆けとなったリバーシティの西ブロックに位置し、総戸数290戸、31階建ての当時としては高級なタワーマンションです。センチュリーパークタワー・スカイライトタワー・シティフロントタワーと高さを変えながらもデザインを統一し、ブルーのトーンで色分けされた外観は、隅田川や周囲の公園との景観が調和し上質な感じがします。この3つのマンションは中古でも人気があり、価格も高めです。シティフロントタワーはスカイライトタワーより少し古く、どちらかと言えば重厚な感じで好みが分かれるそうです。

月島駅から6分、大江戸線と有楽町線の2路線で都心にも近く、スカイライトタワーとシティフロントタワーを結ぶ北側の低層棟にはスーパーがあり、雨にぬれることなくお買い物ができます。リバーシティ内は生活施設と住環境が充実していて、子育てしやすい場所です。

間口は東・南・西向きの3方向、西の向かいに40階建てのスカイライトタワーが建っていて、西側中住戸はお見合いするような感じです。しかしどの住戸もワイドスパンで、2.35mのハイサッシ、天井高2.5m前後、LDの窓の面積も大きく日照・採光、高層階は眺望に優れています。

当時としては珍しいSIの構造。住戸内は下り天井が少なくまた梁や柱も室内に露出しておらずすっきりとした居住空間です。また、床の仕上げはすべてカーペット敷きです。設備はセントラル方式で、全居室に天井カセットエアコン・食器洗浄乾燥機、LDに床暖房が設置された当時としては珍しいオール電化のマンションです。しかしながら省エネという感覚はまだなかったようです。新築分譲時はシーズヒーターだったのですが、ほとんどの住居がIHクッキングヒーターにリフォームされているようです。

共用施設は1階エントランス前の広いロビーだけですが、大きな窓から池と緑地が見える豪華な感じのものでした。共用部分は綺麗に使われていて、外壁などにも劣化は見られませんでした。 管理費は高め、修繕積立金も潤沢で大規模修繕工事が今年行われたばかりです。

最後は、第1位の「センチュリーパークタワー」の評価ポイントです。

ベスト1 「センチュリーパークタワー」

 
 

センチュリーパークタワー(平成11年1月築)は、北ブロック端に位置し総戸数756戸、リバーシティの中で最も高級とされている54階建てのマンションです。月島駅から徒歩8分、有楽町線と大江戸線の2路線、有楽町駅まで5分ととても便利な立地。大川端地区再開発計画「リバーシティ21」は、石川島播磨重工業東京工場の跡地で住宅整備公団、東京都、都住宅供給公社、三井不動産と共に大規模市街地再開発事業の一環として創造された街です。

敷地は隅田川が東と南の方向に流れ、周囲の環境は閑静な住宅地です。間口は南・東・西の3方向、東側には石川島公園が隣接し、リバーシティ内には児童公園、医療施設、小中学校、スーパー、スポーツジムやおしゃれなレストランもあり小さな街を形成しています。全体的な印象は、クラシックな感じ。EVホールにはBGMが流れ、住戸玄関脇の棚には小物を飾っている方もあり優雅で落ち着いたマンションです。

住戸内の天井高は2.45m。今となってはそれほど高いわけではありませんが、2.35mのハイサッシで梁の露出がなくすっきりしています。天井カセットエアコンが標準設置、LDの窓から眺める景色は隅田川や向きによってはレインボーブリッジが見えてすばらしい眺望です。LDはフローリングですが、寝室はカーペット敷きと決まっています。共用部分は綺麗に整理整頓され、お掃除も行き届いていて古さを感じさせないマンションです。しかし設備は最新の新築マンションに比べると、省エネ対策という点ではやや劣るようです。

ブランド性が高く人気のあるマンションで、価格も値崩れしにくいそうです。眺望の関係で間口が東より西と南側の住戸のほうが、価格が高め。特に角部屋は人気が高く、他のタワーマンションや賃貸から移られる方も多いとの事でした。価格も高いので、住んでいる方は若いファミリーというよりステータスの高いシニアの方、著名人・財界人が多いそうです。今でもテレビのCMに使われていてデザイン性も高く、周囲の住環境や利便性を考えても住んでみたいと思わせるマンションです。

優良中古マンションに共通するのは維持・管理の高さ

ベスト5に入った中古マンション共通するのは維持・管理の評価点が高いこと。前々回までの将来価値でみる中古マンションシリーズでは、5回にわたって中古マンションの将来価値について述べてきましたが、やはり維持・管理の評価が高いマンションは総合評価も高くなる傾向にあり、結果として、資産価値も高いということが分かります。

どうぞ、中古マンションを検討される際は維持・管理についてはしっかりチェックしていただきたいと思います。

 

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