将来価値の高いマンション5 実例紹介

2009.12.11 at 02:12 pm by
将来価値でみる中古マンション、シリーズ1の「管理形態」、シリーズ2の「戸数規模」、シリーズ3の「修繕積立金」、シリーズ4の「コミュニティ」と4回にわたり、中古マンションの将来価値を高めるには維持・管理は重要と述べてきましたので、今回は実際のところどうなのかを事例をあげて検証してみることにしましょう。
築37年の中古VS新築
下記の表は、「マンション評価ナビ」が調査して評価した築37年の「三田綱町パークマンション」と、新築の「シティタワー麻布十番」の評価点です。いずれのマンションも都営大江戸線麻布十番を最寄駅としています。

「シティタワー麻布十番」は、駅から徒歩4分に対して「三田綱町パークマンション」は徒歩10分のため、拠点性は0.5ポイント劣りますがその分住環境は0.3ポイント高く、築37年とはいえ、居住性(共用部分)は新築であるシティタワー麻布十番に0.2ポイントしか劣っていません。また、維持・管理の評価点は4.1点と他の築年数の古いマンション比較してもかなりの高評価です。ちなみに、維持・管理のひとつのお手本とされている、あの広尾ガーデンヒルズ・ノースヒルの維持・管理の評価点は4.5点です。

驚くべき事実は、平成19年に大規模修繕を実施しているとはいうものの、2009年3月時点で調べた売り出し価格が139万円/m2で、新築であるシティタワー麻布十番の141万円/ m2とほとんど変わらない価格設定であることです。実際の成約価格は、売り出し価格より下がる傾向にある市場ではありますが、ここまで強気の売り出し価格を設定するというのは、物件の価値によほど自信がないとできることではありません。

マンション名 総合評価 拠点性 住環境 居住性(共用部分) 維持・管理 築年 総戸数 販売m2単価
三田綱町パークマンション 3.7 3.7 3.7 3.7 4.1 昭和46年 147戸 139万円/ m2
シティタワー麻布十番 3.9 4.2 3.4 3.9 平成21年 502戸 141万円/ m2
※(販売m2単価は2009年3月10日時点のもの)

「シティタワー麻布十番」は、マンション評価ナビの2008年マンション・オブ・ザ・イヤーで4位にランキングされた評価の高い新築マンションですが、築37年の「三田綱町パークマンション」も引けを取っていません。

それでは、新築マンションと比べても引けを取らない築37年の「三田綱町パークマンション」の維持・管理の実際をご紹介しましょう。

三田綱町パークマンションの維持・管理の実態

評価の高い新築マンションと比べても引けを取らない築37年の「三田綱町パークマンション」の維持・管理をみてましょう。

まず、管理費は、専有面積126 m2で1戸あたり45,000円/月です。357円/ m2という金額は、平均的な管理費の目安である220円~250円/ m2からみて、かなり潤沢であるといえます。また、修繕積立金も40,000円/月で、m2あたり317円という額は平均的な目安であるm2あたり128円~138円と比べてこちらもかなり潤沢な額といえるでしょう。

管理形態は24時間有人管理で、フロントサービスも充実しています。共用部分や庭も大変良く整備されています。平成19年の大規模修繕では、外壁、屋上、エレベーター、給水設備、外構などの修繕が実施されました。外壁が吹き付けであるため、劣化が生じやすいのですが、現在のところ問題はりません。「三田綱町パークマンションガイドブック」という冊子がつくられ、フロントで販売されています。このことからも、住民がマンションへ愛着を持ち、活動していることが伺えます。平成6年からマンション法専門の弁護士がマンションの維持・管理に対してアドバイスを行っています。

こうしたことから、マンションの居住性、ひいては資産価値を維持することについて、住民の意識が高いことを強く感じさせるマンションです。維持・管理に関する資金力、実行力、住民力の高さが、高い価値を生み出す源泉となっているのは確かなようです。維持・管理が良いマンションは将来価値が高いという事実を、「三田綱町パークマンション」は見事に実証しているといえます。

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