共用廊下の乗り越え防止対策

2009.9.17 at 09:09 pm by

マンションの中には、オートロックで守られた建物内であっても、管理会社がメンテナンスのときだけ入るために設けられているスペースがあります。

住民が容易に入れてしまうと落下などの危険がある場所や、ルーフバルコニーの手すり外側のメンテナンススペースなどに入る部分、屋上などです。

そういった、住民であっても管理者以外は入ってもらっては困る場所には「管理用扉」というものを取り付けます。

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管理用扉の一例です。
この扉は高さ130センチくらいでした。下にコンクリートの立ち上がりがあるので、床面からは180センチくらいの高さまでありました。

実はこの写真、私がマンション内覧会立ち会いのときに伺った物件のもの。
内覧会立ち会いでは、通常専有部分しか指摘していないのに、珍しく、施工会社に検討を依頼した事例です。

この扉の向こう側は、私が伺った住戸のルーフバルコニーの手すりの外側にあるメンテナンススペース。
誰でも入られてしまうと、住戸のプライバシーは守れませんし、また、メンテスペースには手すりがありませんから、落下の恐れもあります。

さて、なぜ施工会社にこの部分を指摘したかと言えば・・・

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床から50cm足らずのところに、コンクリートの立ち上がりがあり、ここに足をかけて・・・

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扉中央にある、ドアの取っ手に足をかければ、容易にこの扉を乗り越えられます。

床から扉上までは容易には乗り越えられ無さそうな180センチ。でも・・・

*床からコンクリート上面まで50センチ
*扉の高さが130センチ

つまり、コンクリート部分に乗っかって、ドアのレバー(取っ手)に足をかければ小中学生でも乗り越えられるような状態になっていたというわけ。

いくら、柵や扉を取り付けても、入ろうとする人が意図的に脚立を持ってくるなどしたら、さすがに侵入阻止にも限界は出てきます。
ですが、マンション内でこういった管理用スペースに入ろうと試みるのは、意外と中高生のお子さんが多い。
お友達と盛り上がって、いたずらで屋上やルーフバルコニースペースに入ってしまうことがあります。

ですから、共用部分の乗り越え防止対策は『中高生が道具を使わなくても乗り越えられるか?』なんてことを考えて検討する必要があります。

事故が起きていない段階では、なかなか売主に共用部分の改善を依頼するのは難しいとは思います。

でも、万が一、子供達がいたずらで道具なしに乗り越えて事故でも起こしてしまったら大変ですから、誰から見ても危険を想定できる場所があれば、売主・設計事務所などに連絡してみましょう。

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